2023年10月末、静岡県三島市にある三嶋大社を訪れました。この日は秋らしさに満ちた清々しい晴天に恵まれ、絶好のドライブ日和でした。また東名高速で向かう道中では、思っていたほどの渋滞もなく、目的地を順調に巡ることができました。
 

 

 

東名高速から伊豆方面へ伸びる、東駿河湾環状道路の三島塚原ICで高速を降りて、まず最初に瀧川神社へ向かいました。牧歌的な風景の中、細い小路の奥にある草深い森の手前に石造りの鳥居があります。
 

 


鳥居をくぐるとすぐ左手に神明造りの御社があります。三嶋大社と同じ頃に建立されたといわれている瀧川神社は、天照大御神と関係があり、瀧の神、川の神など水にまつわる神とされている「瀬織津姫神」を御祭神としています。

2月の例大祭では三嶋大社の宮司による神事が執り行われ、また三嶋大社で行われる秋の収穫祭では、地元の野菜を供え物として瀧川神社から運ぶ行事があるなど、三嶋大社とは深い縁で結ばれています。

 

 


境内を流れる山田川は、伊豆半島を流れる狩野川水系の清流で、そこには山腹から流れ落ちる幾筋もの滝が水しぶきを上げていました。止めどなく流れ落ちる澄み切った滝の音に耳を澄ませていると、まるで心が洗われるような清々しい気分になりました。

 

 

 

滝が水しぶきをあげている様子をショート動画にまとめました。滝が流れ落ちるときに奏でる水の音は写真だけで伝えるのは難しいので、もしよかったらご覧ください。

 

 


神社の裏手にある山田川の中には、弘法大師・空海がお湯が湧き出るところの目印を付けたといわれる文字石(もんじいし)があります。弘法大師は修善寺独鈷の湯が発見された807年頃にこの地を訪れたといわれています。

 

 


田畑に囲まれた神社の周囲には高い建物はなく、のどかな風景が広がっています。都会では味わえない気持ち良い青空がどこまでも高く広がり、穏やかな雰囲気に心和みました。

 

* * *

 


次に訪れたのは三嶋大社です。石造りの大鳥居が、秋の日差しを受けて眩く輝いていました。伊豆半島の付け根に位置している三嶋大社は三島市の中心にあり、東西に旧東海道、南に旧下田街道が伸びるまさに交通の要衝にあります。
 

 

 

総檜造りの風格ある神門は1867年に再建されたもので、左右の太い主柱にある複雑な形をした杢目や、随所に施された細かな彫刻が当時の職人の技を今に伝えています。この日は好天に恵まれたこともあり、多くの七五三詣りの家族連れが参拝に訪れていました。
 

 

 


神門をくぐるとすぐ目前にある舞殿(ぶでん)は1866年に再建され、古くは祓殿として神楽祈祷が行われ、それから舞の奉納が主となったため舞殿と呼ばれるようになりました。現在では舞の奉納のほかに、お田打ち、豆まき、鳴弦式など各種神事が執り行われています。
 

 


拝殿の前は多くの参拝客で賑わっていました。江戸時代末期の安政東海地震で倒壊した拝殿は、舞殿、神門とともに1866年に再建されました。屋根には銅瓦が葺かれ、至るところに施された美しい彫刻も見事です。
 

 


参拝後には三嶋大社の大鳥居の向かいにある「すみの坊」でうな重を頂きました。長年継ぎ足された秘伝のタレが、たっぷり染み込んだうなぎの蒲焼きはこだわりの白米とも相まってとても美味しかったです!

 

* * *

 


帰りは箱根の山を超えて東京へと向かいましたが、その途中にある三島スカイウォークに立ち寄りました。日本一長い歩行者専用の吊り橋といわれ、その全長は400mもあります。また天を衝くような勢いの主塔の高さは44mもあり、広角レンズでも画面いっぱいになるほどの大きさです。
 

 


広い駐車場にはミュージアムや飲食店が併設され、吊り橋を渡った先にはワイヤーで一気に滑り降りるロングジップスライドや、天空アスレチック、セグウェイやバギーで山林を巡るガイドツアーなど、さまざまなアクティビティが整備されているので、丸一日楽しめそうです。
 

 


絶好の好天に恵まれたこの日は、富士山と駿河湾を同時に楽しめる大パノラマが広がっていました。まるで生き物のような個性的な雲がところどころに浮かぶ空のもと、山腹を吹き抜ける心地良い風を感じながら、いつまでも眺めたくなるような絶景を楽しみました。