都営大江戸線・築地市場駅を下車して新大橋通りに出ると、そこは市場特有の生臭い臭いが辺り一面に漂っていました。2016年5月28日(土)、知人と待ち合わせて向かった築地市場は、都心とは思えないような一種独特な雰囲気に包まれていました。

 

 

イメージ 1


築地場外市場商店街、通称「場外市場」は、主に観光客向けの小売店が軒を連ねていて、まだ午前9時前にも関わらず多くの観光客で賑わっていました。まずは市場橋交差点から、波除通りを奥へ奥へと進んでいきます。

 

 

イメージ 2

 

イメージ 3


「玉子焼 丸武」は創業80年以上になる玉子焼きの老舗で、テリー伊藤さんの実家としても知られています。朝食代わりにいただいた焼きたての玉子焼きはホックホクで、ほんのりした甘さが口いっぱいに広がり、何ともいえない幸せな気分になりました。

 

 

イメージ 4

 

イメージ 5


2014年10月にオープンしたばかりの「築地にっぽん漁港市場」は、北は北海道から南は長崎まで、日本各地の水産物を揃えた観光客向けの産直市場です。まだ真新しい館内をウロウロしていると、美味しそうなマグロの握りが目に付いたので思わず衝動買いしました。とびきり新鮮な赤身と中トロは、どちらも口に含むとスッと溶け、濃厚な味わいの余韻がいつまでも口の中に残りました。

 

 

イメージ 6


波除通りの突き当りのT字路を右折し、波除神社に隣接した海幸橋門から場内市場へと入場しました。ここは観光地化された場外市場とは違い、プロ向けの本格的な市場のため一般人は立ち入り禁止と思われがちですが、実は水産売場や青果売場、魚がし横丁といった一部のエリアには入ることができます。

1935年(昭和10年)2月に開場し、戦前から戦後にかけて80年以上に渡って、東京都民の胃袋を満たしてきた築地市場は、日本はおろか世界でも最大級の取扱規模を誇る公設市場です。2016年11月に豊洲市場に移転する前に一度は訪れてみたいと思っていました。

 

 

イメージ 7


館内に入ると非常に薄暗く、トタン板で覆われた素っ気ない造りは、まるで昭和の昔を思わせる雰囲気に満ちています。足元は水浸しでお世辞にも清潔とはいえず、また荷物を満載したターレットトラックが容赦なく行き交い、一般人はお断り的な雰囲気がプンプン漂っています。

 

 

イメージ 8


水産仲卸業者売場を歩きましたが、そこはまるで怒号のような掛け声と、辺り一面に充満する生臭いにおい、そして人ひとり通るのがやっとの狭い通路を、新鮮な魚介類を求める多くの人でごった返す、まさにカオスな光景が広がっていました。

 

 

イメージ 9

 

イメージ 10


日本全国から仕入れた新鮮な魚介類が、発泡スチロールに放り込まれて無造作に置かれていました。飲食店や小売店といったプロが買い付けに来るリアルな築地市場の雰囲気に飲まれ、ただただ圧倒されました。

 

 

イメージ 11


市場内を縦横無尽に走り回るターレットトラックは、乗り物好きとしては見過ごすことができません。円筒形の動力部が回転する構造からターレットと名付けられ、操舵用の大型ハンドルの内側にある同心円のハンドルを押し下げることで走らせます。ちなみに市場内を走っていたのは主に電動で、写真のニチユ三菱フォークリフト・エレトラックを多く見かけました。

 

 

イメージ 12


場内市場から再び場外市場に移動し、波除通り沿いにある「鳩屋海苔店」で、殻付きアーモンドをお土産に購入しました。昼が近づくにつれて人混みも一段と増し、どの店も押すな押すなの大盛況でした。

 

 

イメージ 13


鳩屋のひさしから、2羽のハトが道往く人を見下ろしていました。どうやら試食のおこぼれに与ろうとしているみたいです。白いハトはたまたまカメラ目線でした^^

 

 

イメージ 14


築地市場を堪能した後、池袋に移動して、地鶏専門店「伊勢ろく」池袋サンシャイン店でランチをいただきました。親子丼といえば家庭の料理かソバ屋の丼物といったイメージですが、この店は親子丼が名物という知人オススメのお店のため、とにかく楽しみでお腹を空かせて訪れました。

 

 

イメージ 15


オーダーしたのは元祖親子丼で、メニューには美味しい食べ方まで書き記してあるほどのこだわりようです。さすが専門店だけあって地鶏の美味しさはもちろんのこと、絡み合うトロッとした半熟玉子の絶妙な味わいは、ただただ感動の一言です。今までに食したことのない素晴らしい親子丼で、もう無我夢中で完食しました!