7/1付で東証から2009年3月期の決算短信発表状況の集計結果(確定版)が、また、7/3付で2010年3月期第1四半期の決算発表予定日の集計が公表されています。
まず、2009年3月期本決算の決算短信発表状況の集計結果(確定版)から。
・決算発表会社数:1,781社(前年比▲25社)
内訳は、新規上場で+20社、上場廃止で▲47社(ほか、決算期変更がプラスマイナスの純増で2社)。
うーむ・・・、組織再編(子会社の吸収やM&Aによる上場廃止)等の理由もあるので、単純に退場企業が多いともいえないでしょうが、大枠でとらえると3月期本決算発表会社は減っているんですねぇ。
・平均所要日数:39.9日(前年比▲0.3日)
ついに40日を切ってきました。
東証の要請による45日以内だからよし、という訳にはいかないですね・・・。 決算発表が45日以内だからって胸を張れないなぁ。
しかし、ここからの5日ほどの短縮は厳しいでしょうね。
今期も、内部統制に係る開示のチェックをやりながら、招集通知と格闘しながら決算短信を作っていますからね。
もう少し分業体制を確立しないと難しいです。
・発表所要日数分布
これは前年(2008年3月期)との対比で見ると、顕著です(カッコ内は前年)。
25日以内: 65社(184社)
30日以内: 297社(171社)
35日以内: 22社( 29社)
40日以内: 181社(293社)
45日以内:1,126社(880社)
50日以内: 83社(164社)
55日以内: 1社( 75社)
ね、分かります
これまで4/20~4/25頃に多かった第1陣の発表会社が、4/末頃まで少し発表を遅らせている傾向が顕著です。
また、40日以内の5月ゴールデン・ウイーク明けに発表していた会社が、東証の要請に即した45日以内に後ろ倒している傾向が読み取れると思います。
一方で、50日、55日かかっていた遅い会社は、頑張って前倒ししているということです。
おそらく2009年3月期の内部統制初年度の本決算発表ということから、どの企業もやや慎重に、あるいは監査法人の手続が増加したことによって時間がかかるようになった、ということが言えるのではないかと思われます。
まぁ5日くらい遅くなっても、より信頼性の高い決算情報のほうがよい、という意見もあるかもしれませんが、決算情報を分析・消化して市場に流すアナリスト・マスメディアのことを考えると、集中度が高まっているわけですから、未消化や例年だったら記事等で紹介されていた会社が埋もれてしまうこともありうるわけです。
当社は別にして、今まで紹介されるかどうか微妙・・・という注目度・規模の会社さんだと、IR担当者としてはやきもきするかもしれませんね。
また、東証の45日基準は、全体というよりは、遅い会社の早期発表を促したという意味では、一定の効果があったといえるでしょう。
しかし、早期発表の会社がやや遅くなっている傾向があるとすると、もう数年、内部統制関係の手続の消化が進まないと、全体に前倒しというのは難しいでしょうね。
ちなみに、一番の決算発表集中日は、やはり5/15(金)。
実に、433社(全体の24.3%!)もの会社が決算発表しています。
あいにく金曜日でしたし、業績悪いのも分かっているので、いっそ5/15で45日基準を満たしつつ、あえて金曜日、それも一番の集中日に発表しちゃえ!という意図的なものも多かったかもしれません(^^;
その前というと、
5/ 8(金)144社 8.1%
5/11(月)126社 7.1%
5/12(火)168社 9.4%
5/13(水)176社 9.9%
5/14(木)219社 12.3%
となっていまして、GW明けからずっと高い水準となっています。
この東証発表資料を見ていて思ったのですが、東証の上場会社担当者の方も大変かもしれませんが、どうせ会社の経理・開示担当者は仕事しているんですから、東証もGWに営業したらどうかしら
立会いまでは別に結構ですが、せめて決算発表の受付~TDnetでの開示くらいやったらどうなの?と思わせられました。
そうすれば、毎度毎度、決算発表の集中緩和のお願い、なんて出さなくてもいいんじゃないの?
われわれ、会計業界の人間は、もう、この仕事している限りGWなんてないよ、と家族に言っていると思いますし、小売業界や運輸業界など、GWなんて期待できない業界も多々あります。
東証の方々も、この仕事についたらGWはなし、と覚悟を決めてください(笑)
そうは言っても、東証の中でも部署のローテーションはあるはずなので、一生というわけじゃなし。
いいんじゃないですか、GW中の決算発表。
別に外出しない投資家さんにとっては、じっくり研究できるし。
みなさん、どう思います?
決算発表を利用する個人投資家さんや、私と同じような開示関係担当者、双方のご意見を聞いてみたいですね。
さて、一方の1Q決算発表予定日ですが・・・。
四半期の決算発表については、東証は30日以内を要請しています。
が、今年はあいにく7/31が金曜日。
7/30(木): 218社 12.2%
7/31(金): 260社 14.6%
と、金曜日派がかなり上回っています。
まだまだ、1Qは自信がない、という心理があるのかもしれませんね。
次のヤマは8/7(金)で238社 13.3%です。
この辺になると、金商法の四半期報告書と一緒に提出、というパターンですかね?
意外と、8/12~8/14頃の決算発表は多くはないので、この週はさすがに決算発表して四半期報告書提出して、お盆休み、というところかな。
3月決算会社の経理・開示・IR関係の担当者は、2月頃からの予算編成から数えると、実に半年間ずっと決算漬けですもんね。
ようやく長かったトンネルの先のほうに明かりが見えてきている感じです。
しかし、その前に1Qが~・・・
もう一息だ、がんばろー!!
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