今日は、新しい言葉を1つ覚えました。
「バリュートラップ」
一見、日本株が割安であると判断し、外国人投資家が日本株を買ったものの、さまざまな要因によって割安(になっていたはず)の株価が本質的な価値に戻らずさらに下落し、実は安くなかったことに気づかされる、そうした状況を指すことばです。
出典は、4/14付 大和総研の日本株ストラテジーメモです。
このメモでは、大和総研のチーフストラテジストの三宅一弘氏が4月上旬にアメリカの機関投資家訪問を行った際の報告になっています。
多くの個人投資家の方も感じていると思いますが、実際にほとんどの米国投資家は、日本株に対してアンダーウェイトのスタンスをとっており、日本株専門のファンドマネジャーやアナリストが減少傾向にあるのだとか。
そして、日本株は、アジア株の中の1つと位置づけられてしまう流れができつつあると警鐘を鳴らしています。
米国投資家の見方によると、日本株が低迷している理由は、大きく2つ。
(1) 政治の混迷・リーダーシップの欠如、株主軽視の企業が多い・M&Aが起こりにくい、内需が盛り上がらない、国内の投資家が日本株を買わないことこそが問題、といった構造要因
(2) 外需中心の日本経済は、世界経済との連動性が高いため、米国の景気後退や円高の直撃を受けているといったシクリカルな要因
逆に言えば、米国におけるバリュー投資家に限らず、日本株反転のきっかけを待っている投資家も「少数派ながら」いるようで、そうした投資家の注目セクターは、外需を代表する産業、すなわち、自動車や資本財、商社など、新興国の消費ブームやインフラ投資ブームに乗れる多国籍企業、という見方のようです。
金融やITなどに関しては、欧米企業に比べて付加価値やスピードの面で歯が立たず、特に米国の信用収縮が後退してマインドが上向いたとしても、日本国内の内需の弱さを理由として、金融株が買いということにはならないという考え方らしいです。
当ブログでもご紹介したことがある、企業年金連合会のROE8%ルール、これを高く評価している米国投資家は多いとのことで、連合会だけでなく、国内機関投資家が連合会の意を汲んで、しっかり議決権行使をするかどうか、注目しているとしています。
■東京IRセミナー「株主との関係構築とIR」
http://ameblo.jp/ir-man/entry-10051640131.html
何だか外国人投資家のほうが、よほどしっかり日本株の趨勢や社会全体を客観視しているような気がします。
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