下下・・・ | IR担当者のつぶやき

IR担当者のつぶやき

上場企業に勤務する公認会計士の、IR担当者として、また、一個人投資家としての私的な「つぶやき」です。

ときどきIR担当者的株式投資の視点も。

この時期のIR活動で必要なデータ・・・。


下下(しもしも)比較、下下(しもしも)比率などがこれにあたります。


これらと対になる言葉は、上上(かみかみ)比較、上上(かみかみ)比率などです。

(まさに舌を噛みそう・・・汗


もう数年前になりますが、ある機関投資家さんのところに訪問するたびに、毎回これを聞かれて閉口した覚えがあります。


株式投資の世界の方にとっては普通かもしれませんが、企業サイドで、しかも会計の受験勉強が長かった私にとっては、結構、違和感のある言葉でした。

当時、一緒にIRしていた、上司にあたる副社長も、大変苦手にしていたように思います。


なぜか。


決算短信や決算説明会資料のパワーポイントなどを作成していると、中間決算段階では、上期が終了した時点での前年同期比較の差額や比率を算出することになるので、意識しなくても、「上上」比較はできてしまっているわけです。


当時の私を含めて、企業の担当者は、やはり機関投資家産に聞かれる頻度の高いポイント、具体的には、通期計画が達成できるのかどうかに関心が向いていることが多いと思われますから、


上期実績 + 下期予想 = 通期の着地予想


を算出します。

それこそ、あぁでもない、こぅでもない、この部門がいつも強気で、あの部門はいつも保守的だから・・・、などなど、部門の特性やその年度のトレンドを踏まえて、もっと上積みできるはず、とか、もっと減らしておかないと、さらに予算に穴を空けられたら困るから、とか、交渉するわけですね。


ふつう、それを決算発表日のギリギリまでやります。

といっても、決算発表日の取締役会に持っていってもらう資料としては、もはやそんな数字のいじくりはできませんから、その1回前の役員会あたりが限度でしょうか。


いずれにしても、決算短信やIR資料を作成したりする合間をぬって、通期予想を改訂すべきかどうかを検討するわけですから、それだけで手一杯。


そういう状態のまま、決算発表→決算説明会→翌日からすぐに機関投資家訪問が数日間・・・、というと、だいたい時間切れで十分な分析ができていないケースも、間々あります。

そういうときに限って、


「下下比較でいうと、どうですかはてなマーク


などと聞かれるものですから、けっこうパニくりますあせる


通期予想数値をもっているわけですから、面倒くさがらずに、Excelでもう2~3列追加して、上期と通期の差額を計算する欄を設ければいいんですけどネ。

たいがい、忘れちゃうんですよ(笑)


考えれば当たり前で、機関投資家さん(個人投資家も同じでしょうけれど・・・)からすれば、上期はよかった(悪かった)けど、(今期の)下期は前年度の下期と比べて良いのか、悪いのかという計画値の傾向を知っておかないといけない、ということでしょう。


とくに通期予想の修正なんかした場合には、修正前の計画における「下下」と、修正した計画における「下下」とで、何が違うのか、それはなぜなのか・・・、という質問を予想したうえで、資料を用意しておく必要があるわけです。


と、わかっていても、毎度、時間切れになってしまうことも多い「下下」比較。

いつか、ちゃんと分析が完了している状態にしたいと思っています(^^;


などと言っていると、意表をついて、上下比較でどうでしょうはてなマーク とか聞かれたりするんだよなぁ・・・(爆)



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