JASDAQが設置した新市場NEOで、上場承認第1号が出ました。
ユビキタス(証券コード:3858)という会社で、社名から推測されるように通信ソフト開発の会社です。
■株式会社ユビキタス
同社のIR情報サイトによりますと、2007年3月期で設立6期目、2005年3月期から2006年3月期にかけて急激に成長しています。
2007年3月期の業績は、
売上高: 680,266 千円(前年同期 452,576 千円、150.3%)
経常利益: 415,061 千円( 同 290,818 千円、142.7%)
と、立派な数値です(訂正:表示単位を誤って表記していたので修正しました)。
■JASDAQ 上場会社概要
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_01.jsp
上場予定日は、11/13(火)。
主幹事は野村證券。
監査法人はトーマツです。
同社製品は、JASDAQの会社紹介によりますと、家庭用ゲーム機やホームセキュリティーの分野で用いられており、今後、AV機器など幅広い分野で採用されていく見込みだとしています。
同社HPや「上場申請のための有価証券報告書」をざっと見た限りでは、専門用語が多く、同社製品がどんな最終ハードウェアに搭載されているのかよくわかりません。
有報で、従業員数を見ると16名。
んー・・・、管理系はだいじょうぶかしらん
もともと、新市場NEOは、新技術などを有する有望な新興企業を発掘するために設けられた市場ですから、いわば当たるも八卦、当たらぬも八卦みたいなところがあるとおもいます。
NEOで目玉のマイルストーン開示はどこにあるのかなぁ・・・と見てみましたが、新市場NEOの説明や要求される上場申請書類のフォーマットはアップされていますが、ユビキタス社の書類は他のJASDAQの上場会社と同様のものしかないなぁ。
反応悪いぞ、JASDAQ
上場承認が出て、新聞記事にもなったんだから、きちんと用意しておいてほしいぞ。
■JASDAQ NEOについて
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_neo1.jsp
新市場NEOの特徴については、下記のトピックでご紹介していますので、ご参照ください。
■JASDAQ、新市場NEO上場申請受付を開始
http://ameblo.jp/ir-man/entry-10043025596.html
というわけで、ユビキタス社について現状、投資判断云々を言うのは早すぎな気もします。
もう少し、将来計画がIRされてからよく吟味したほうがよさそうです。
ただ、私も新興銘柄で何度も痛い目にあっているので(^^; どんなところに注目するかというと・・・。
新興企業の場合は、やっぱり経営者です。
上記の有価証券報告書によりますと、
代表取締役会長 中山佳久氏(38)は、日本オラクル、マイクロソフトなどを経ていますが、途中icf(現オーベン)執行役員を務めています(7ヶ月程度ですが・・・)。
代表取締役社長 川内雅彦氏(52)は、アルプス電気、マイクロソフト・プロダクト・デベロップメント・リミテッド(以下、MPD。おそらく中山氏とはここで合流されたと推測されます)を経て、ユビキタスに合流されたようです。
また、専務の鈴木氏もMPD経由。取締役の三原氏はソニー→マイクロソフト経由など。
技術には明るそうな気もしますが、MSよりなところが気になるなぁ。
CFO(最高財務責任者)の麻生氏は、ちょっと異色。
陸上自衛隊入隊から、昭和63年トーマツへ。平成5年に公認会計士登録されています。
その後、スターバックスの管理部門長を経て、ユビキタスへ転職されているようです。
(常勤?)監査役の家高氏も、同じく公認会計士。こちらは、アンダーセンコンサル(現アクセンチュア)→PwC(現IBMビジネスコンサル)→・・・→ボストンコンサルティングと渡り歩いた猛者とお見受けします。
(社外)監査役の大貫氏も会計士。トーマツ→・・・→シコー技研監査役→同社常務取締役という経歴です。
取締役・監査役7名中、会計士が3名とかなり比率が高くなっています。
やはり、NEOの上場審査においても、これだけ新興企業への懐疑の目が強くなっていることを鑑みて、プロフェッショナルである会計士比率が高いことをアピールしたのでしょうか。
会計不祥事はないぞ、と。
同業としては、嬉しいかぎりです。
やっぱり、公認会計士が監査法人のつらそーな監査業務ばかりでなく、新規上場企業の役員として名を連ねているのは、希望が湧きますものね。
(ただ、監査役の方は持株ゼロ、CFOの麻生氏が3,000株ということになってますが・・・(^^;
なお、一応、家高氏・大貫氏にはストック・オプションが与えられています。)
それから、もう1つの視点としては、事業環境。
第5期から急激に売上が立ち上がっていますので、そこで何があったか。
また、何が最も強みなのかを調べたうえで、その強みが今後も継続するのかどうか。
新興企業でありがちなのは、上場してくる期はその会社の製品・サービスが最もよく売れているが、早ければ上場した最初の決算のときには、需要が一巡して売上が急落するケース。
これには注意が必要です。
そのためには、やっぱり市場や事業環境の見通しが重要になってくると思います。
下方修正する企業も(表面上は)悪いけど、結局、市場見通しやそこでとれるシェアについての説明が不十分で、投資家のほうもきちんとその部分を見ずに、値動きだけでおっかけるのでヤラレになってしまうのではとも思います。
いずれにせよ、新聞報道などでは、証券取引所としては国内7つめ、再編論議もあるなかでの船出ですから、主幹事・野村證券の力の見せ所というところでしょうか。
一応、初物ということになるのかな
期待してもいいのかしらん・・・(^^;
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