早稲田アカデミー(4718)、野田クルゼを買収 | IR担当者のつぶやき

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ときどきIR担当者的株式投資の視点も。

以前、明光ネットワークの自社株買いのトピック( http://ameblo.jp/ir-man/entry-10028070561.html  )で、塾・予備校業界のM&Aの活発化を指摘しましたが、続いて出てきました。



早稲田アカデミー、「野田クルゼ」買収、医・薬学系加え事業拡大。2007/04/10, 日経産業新聞


 早稲田アカデミーは9日、医・薬学部と理工系進学者向けの予備校を運営する野田学園(東京・新宿)を完全子会社化すると発表した。同日開いた取締役会で野田学園の発行済み全株式の取得を決めた。取得価格は9億2,000万円。少子化の影響で学習塾業界の競争は激化しており、早稲アカは文・理系を網羅することで事業拡大を図る。
 野田学園は医学部や薬学部などを目指す学生向けの予備校「野田クルゼ」の運営主体。1969年設立の老舗で、これまでに3,000人以上の医学部合格者を輩出している実績を持つ。2006年3月期の売上高は約6億7,000万円で、経常利益は226万円
 早稲アカは大学受験を志す高校生を対象とした塾「サクセス18」を池袋や渋谷など7校で展開しているが、理系の専門性の高い講座は持っていない。薬学部を中心に理系人気が根強い背景もあり、野田学園の買収で、総合的な事業展開が可能になると判断した。
 株式は5月30日付で、全80,000株を保有している川原洋一・野田学園代表取締役から取得する。「野田クルゼのブランド価値は確立されており、今後も生かしていく」(河野陽子副本部長)としており、完全子会社後も「野田クルゼ」の名称は残す方向。
 少子化に加え、大手が積極的な拠点展開を進めているため、学習塾市場は飽和状態になっている。昨年10月には大学受験予備校「東進ハイスクール」を運営するナガセが老舗学習塾の四谷大塚を買収。業容拡大に向けたM&Aによる淘汰が進んでいる。


早稲田アカデミー(東2・4718)は、2007.1.26に、JASDAQから東証2部に重複上場してます。

同社傘下の秀文社(HC・2143)が2007.3.15にヘラクレスに上場し、資本政策が活発ですねー。

3/19付で、20,000株(13.33%)との大量保有報告書が出ているようです。


また、3/20には、2007年3月期末に12円の普通配当と1円の記念配当を実施、年間配当は13円(2006年3月期は普通配当のみ10円)、と増配を発表しています。

四季報の予想では、以下のとおりです(単位:百万円)。


単07. 3予 売上 14,500 営業利益 1,700 経常利益 1,700 当期純利益 980

       1株当たり利益 127.7円 配当 10~12円記
単08. 3予 売上 16,900 営業利益 2,100 経常利益 2,100 当期純利益 1,180

       1株当たり利益 153.7円 配当 10~12円


売上成長率 16.6% 営業利益成長率 20.4% 純利益成長率 20.4%

2006.9月時点での株主構成で、外国人持株比率 11.0%、投信持株比率 16.5%と、将来を期待して買われているように思われます。

時価総額157億円、PER16.2倍(4/9終値2,055円で計算)。

中小型株で利益成長性が20%超と、投信等がそぉ~っと買い進めたい魅力的な銘柄、という感じに見えますね。

これで大儲けを狙う銘柄、というのではなくて、中期的に保有してファンドのパフォーマンスを底固めするような位置付けではないかしらん。PER的には、ちょっと割安感が薄れてきた感じかな・・・。


M&Aをテコに、より具体的な成長イメージを打ち出せれば、期待できるかも。