スパークスグループが、「スパークス・グループ株式会社傘下の資産運用会社の提出する大量保有報告書における発行体経営陣との対話にかかる開示に関する方針について」という文書を開示しています(http://www.sparx.jp/ir/news/pressJ20070327-01.pdf )。
スパークスが運用する「日本株式集中投資戦略」と「日本株式バリュー・クリエーション投資戦略」は、発行体の経営陣との建設的な議論を通じて、運用成績を向上させることを運用手法の1つとしているとのことですが、その過程で発行済み株式総数の5%を超えるような集中投資を行うことがあるとしています。
そして、そうした”建設的議論”が、証券取引法にいう「重要提案行為等」に該当する可能性があると判断したようです。
その結果、上記の2つの戦略に基づく集中投資が行われて提出された大量保有報告書には、「重要提案行為等を行う予定である」と記載し、「保有目的」の欄で投資戦略につき説明する方針だとしています。
保有目的の欄における記載で、注目すべきは以下の部分でしょうか。
「発行者への投資を継続的に見直し、発行者の財務状況、発行者の株価、証券市場の状況、一般的な経済および業界の状況等に応じて、発行者への投資に関連して提出者が適切だと判断する行動を採ることがある。」
提出者(=スパークス)は普通、運用会社として市場内外で有価証券を売買しますが、そうでない行動もとりますよ~、ということです。したがって、他企業との経営統合の提案やTOBのすすめ、増配の要求、まぁ何でもあり、というふうに考えられるってことですよね。
「当該行動は、発行者経営陣との建設的で原則として友好的な議論を通じて行われるものであるが、法令上の「重要提案行為等」に該当することがある。」
原則として友好的議論なのであって、会社側が意固地だったりすると、場合によっては敵対的な提案をする可能性もないわけじゃない、と。
「なお、提出者が別の投資戦略に基づき保有する株式に関しては、上記のような行動に同調する場合と同調しない場合の両方が考えられる。」
これは、ちょっと難しいですね。リリースにも書いてありますが、大量保有報告書のつくり上、他の投資戦略、つまり普通の買い持ちの分も、上記2つのアクティブな投資戦略に基づいて保有される分と合算されて、報告されるということです。
その場合、アクティブな投資戦略の分が1%で、普通の買い持ち分が4%以上あって、合計で5%以上保有、ということになっていたとしても、全体がアクティブな投資戦略に基づいて保有しているかのように書かれるので、注意してねんということです。
裏を返せば、普通の保有のつもりでいるファンド・マネジャーさんが、別のチーム(アクティブな投資戦略)が重要提案行為を行い、これにより株価の値上りや大幅増配が見込めそうなら、そのしり馬に乗るよ、ということでもありますね。
だって大量保有報告書には同調する場合がある、って書いてあるんですもん。
モーニング・スターでスパークスのファンドのパフォーマンスをチェックしようとしてみましたが、モーニングスターのサイトでは、どれが上記2つの投資戦略を採用しているか、明らかには分からなかったです(http://www.morningstar.co.jp/fund/index.htm )。
集中投資、といってますから、ロング・ショート型ではないのでしょうけど・・・。
うーむ。
スパークスも、アクティビスト的な行動を強めるぞー、という意思表明と考えるべきなのでしょうか。
私がこれまでに大崎でお話させていただいたファンド・マネジャーさんは、おそらく普通の保有戦略の方だったのかな・・・。
あんまり、具体的にこちらの行動を示唆されたり、ご提案じみたことを言われたことはないなぁ。
でも・・・。
提案されてみたいっっっ!!