バーベキューが終わり、親戚一同もそれぞれの帰路につく中、親父に改めて話をした。
「うちの近所にマンション借りるけぇ。そこに来んさい。何かあったときは俺が近くにおるし病院もすぐ近くにある。」
「そうじゃのぉ。そこに住みに行く気で行きゃーええのう。そうするわ。」
その夏には俺の友達も親父に会いに来てくれた。手土産に湧き水が体に良いとからと行ってペットボトルに湧き水を汲んできたよって親父に差し出したんだけど、そのペットボトルにはサランラップで5千円札を巻いてあった。
「おっちゃん、これエエ水じゃけー。元気になるよ!」
「おお!これが一番効くわぁ!」
って大笑いして、「おおきによ」って何度も涙を拭いてた。
姉貴が言ってた青森の池田さんっていう医師が言うには、ガンのみならず、万病の原因ってのはまず食べ物にある。化学調味料や食品添加物、農薬、放射能の影響を極力さけること。それを避けることで腸内細菌叢が育つ。腸は人間の臓器の中で一番大きく、腸のコンディションが病気に一番影響を及ぼす。まず腸内環境、腸内細菌叢を整えること。そんな話だった。
さらに池田医師はこういうこと言う。O−リングテスト(オーリングテスト)というキネシオロジーを筋肉の反応を診断する手法を用いて、本人の体に良いもの、悪いものを診断する。本来のやり方は、被験者が人差し指と親指で輪っかを作る。反対の手で、その人の体にあっているかどうか調べたいものに触れる。その状態で、第三者が人差し指と親指で作った輪っかを外そうとする。被験者は輪っかが開かないように力を込める。その時に、反対の手で触れているものが体に合っているものであればリングは開かない。合ってなければ力が入りにくいからリングが開く。
これは代替医療の診断方法ではあるが、医療現場でも用いられることもあったり、信憑性が高い診断方法とされている。
ただ、池田医師が行なっているのは「ひとりO-リングテスト」なるもの。それはかなりオカルトチックと言わざるを得ないもので、文字通り、1人でO-リングテストを行う。
現在の〇〇さんの腸内細菌叢数はいくらですかと、池田氏が自問自答する。「100以上ですか?、200以上ですか?」そんな感じで自問自答するらしい。それで池田医師が対象者の腸内細菌の状態を測って、あなたの腸内細菌叢数は100です。改善の必要があります。数値を上げるためには、食事を改める必要がありますが、まず調味料を改めることからしてください。無添加をうたっていて体に悪いものはあります。塩、醤油、みりん、酒、スーパーで売っているものはだいたい腸内細菌叢を殺してしまうので、私が紹介するものに変えてください。
というような話。ここだけ切り取って話せば明らかに詐欺じゃないかと思うんだけど、病院でも直せないと言われた状況の中だと、それでも試してみる価値があると、信じたいと、そういう心理が働く。さらに、池田氏がFacebookなどで発信している情報は非常に専門的で信憑性も感じられるような話だったのと、実際に末期癌が治ったと言う人がFacebook上に何人かいて、皆池田氏の方法を推奨し紹介していた。癌を克服した本人だけじゃなく、Facebook上で著名な人からも指示を受けていた。
怪しいのは確かなんだけど、食事を正すってところには間違いはないし、池田氏が紹介している調味料の食品表示を調べると、確かに無添加で体に害が少ないものだった。悪いものを紹介している訳じゃないのも確かなことだったので、言われる通り調味料から正していった。

