何かの媒体で必読書として紹介されていたこちら下矢印を読了しました。


白人ナショナリズムという言葉はニュースなどで見聞きしたことがあり、アメリカに限らず、例えばオーストラリアなどにもそういった思想の強い地域があるということは知識として聞きかじってきたのですが、今回、冒頭の書籍を読んで初めて、白人ナショナリズムの主張が何であるかの詳細を知りました。

クローバー白人ナショナリストと見なされている人々は自身が「白人ナショナリスト」と見なされるのは心外であり、「人権活動家」だと考えている。
クローバー人権活動家として訴えたいことは、「全ての民族の尊厳と自立、自決が保証されるべき。最も大切なことは選択の自由であり、グローバルな権力によって強制されてはならない。この原則は白人にも当てはまる」ということであり、つまり反ユダヤ。

この本を読むと、トランプ元大統領がどういった人々に支持されているかがよく分かります。

なお、本書でも言及がありましたが、結局、白人ナショナリストが言うところの「白人」って何?という話はありますよね。
実際に、白人ナショナリストの一人が遺伝子検査をしてみたところ、様々な種/血が混ざっていたという結果だったようですし、それを考えると、憎しみの矛先は先ず、アメリカの中枢を牛耳っているユダヤ人。
そして、見た目の肌の色などから、"白人"以外は下等だという優越主義だとしか思えませんでした。

その前提で考えると、優越主義の起源は米国建国以前のイギリス植民地時代にまで遡り、それが今に至るまで根強く続いているということになります。
そして、優越主義的発言をオブラートに包むこともせずに発信する人物の一人が、トランプ元大統領。

日本経済新聞


日本への原爆投下を命じたトルーマン大統領は一時期KKK(クー・クラックス・クラン)のメンバーだったということで、投下後も良心の呵責に苛まれることがないあたりに、思想の根底にある白人ナショナリズムを垣間見るようにも思いました。


富士山2024年 38冊目