『国商』読了しました下矢印

JR東海の代表取締役社長・代表取締役会長・代表取締役名誉会長、取締役名誉会長を歴任された葛西敬之氏について書かれた本書。
"実業家としての歴史的な評価はまだ定まっていない"という主旨の記述がありましたが、少なくとも国鉄を分割民営化したということに関しては、以前『マングローブ』下矢印を読んだ際の知識を持ってしても、大変なご苦労があったことと思います。


なぜ"歴史的な評価は未だ定まらず"なのかということですが、理由は2つあり、一つは、安倍晋三氏と密接な関係にあり、官僚やNHK幹部人事にまでその意向が反映されていたという点に対してどう評価すべきかということ。
そして、二つ目はリニアの件。

リニアに関しては、静岡県が水源や生態系破壊を理由にリニア反対を打ち出しています。
私の親族が多く住んでいる山梨県も、県民感情は静岡県と変わらないのではないかと思います。

葛西氏(≒JR東海)も当初はリニアについて"あんなお荷物、JR東海ではやらんよ"という立場だったそうなのですが、仲良しの安倍晋三氏に"お願い"されたことをきっかけに、リニア実現に向けて動き出したのだそうです。
安倍氏が、「アベノミクスによる効果」の目に見える形として、リニア実現を切望したのですね。

こんな狭い日本で、昨今はリモートワークなどのハイブリッドな働き方が定着しつつある中、自然を破壊しながらリニアを走らせるメリットって、何なのでしょうか。

つくづく、昭和のおじ様方のハコもの好きには辟易します。
また、国民の血税を打ち出の小槌感覚でジャブジャブ使う政治家にもうんざりです。

上記した『マングローブ』と同じ著者が「トラジャ」というグループについて執筆した書籍下矢印も読んでみようと思っています。


革マルというのは、もう過去の話かと思いきや、そうではないのですよね。



富士山2024年 13冊目