最近、NHKの「映像の世紀 バタフライエフェクト」という番組を好んで視聴しています。

映像の世紀バタフライエフェクト


黒人問題にフォーカスした放送回では、オバマ元大統領が、モハメド・アリに勇気をもらっていたというエピソードなどが紹介されていました。

大統領時代、ホワイトハウスの壁には、対戦相手をノックダウンして吠えているモハメド・アリの写真下矢印を飾っていたそうです。

(画像はお借りしています)

モハメド・アリという名前は勿論知っていましたが、ベトナム戦争への従軍を、自らの信念を貫いて拒否したことなど、人物について詳しく知らなかったため、番組の半分くらいの時間を割いて紹介されていた、モハメド・アリの生き様を知るにつれ、彼の受けた差別に心が痛み、また、それを跳ね除けて更に周囲にポジティブなパワーを与えながら生きる姿に感動しました。

番組を見逃してしまった場合は、NHKプラスで一定期間視聴できるのですが、今、見逃し配信で見ることが出来るのは、メルケル元首相のストーリー。

(画像はお借りしています)


東ドイツで幼少期を過ごし、その後東西ドイツ統一を経験した立場から、

自由は当たり前に享受できるものではないこと

ねたんだり悲観的になったりせずに、希望を持って目的に向かえば、未来は必ず開かれること

を信条とし、難民施策などの難しい政治判断も自らの信条に基づいてリーダーシップを発揮してきたことを、映像を通して知りました。


難民施策に関して賛否両論あることは日本でも報道されていたので知っていましたが、東ドイツ時代にその閉塞感を打破しようと行動していた同年代の女性が、当時のスローガンも併記して、難民施策に関してメルケルさん支持を表明したエピソードなど"東ドイツ時代"を一つのキーワードにしていた、今回の番組もとても良い内容であったと感じました。

トランプ元大統領のように、頑としてメルケル元首相との握手を受け入れない人物や、
プーチン(敢えて呼び捨てムキー)のように、メルケル元首相が犬嫌いなのに、自分の犬を放し飼いにした環境で首脳会談をする人物(このように相手の弱みに付け込んで自らが優位に立とうとするのは、KGBの手法なのだそうです)など、

嫌な思いも数えきれないほどしてこられたと思うのですが、冷静に、それでいて包容力と強さを感じさせるリーダーシップで16年もの長きにわたって一国を率いたというのは本当に素晴らしいことだな、と改めて感嘆しました。


退任式典では、首相が望む曲を軍の音楽隊が演奏して贈るのが恒例なのだそうですが、メルケル首相が希望したのは「カラーフィルムを忘れたのね」。

この曲に、独裁制や秘密警察による盗聴など、東ドイツで過ごした青春時代のハイライトが詰まっているのだそうです。

日本に生まれて育った私には、この感覚、中々分からないのですが、「民主主義は特別なことなのだ」という、このエピソードにもホロリとしてしまいました。


東ドイツに関する本も読んでみようと思っています。