新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします
出版された当時話題になっていたこちらの書籍を(今更ですが)読みました。
第1章 東大生の3人に1人は公文出身
第2章 なぜ月6000千円で学力が伸びるのか?
第3章 1枚のルーズリーフから始まった
第4章 速く進む子と続かない子の差は何か?
第5章 つるかめ算は本当に不要なのか?
下娘が公文式のお世話になっている中で、算数の加減算をなぜ公文は数え上げで学習させるのかということが以前から謎だったのですが、本書を読んで漸く分かりました
1935年に全国の小学校で「緑表紙」と呼ばれる新しい国定教科書が採用されたのですが、それ以前の国定教科書、通称「黒表紙」で採用されていた、数の概念を教える際の立場が数え上げ。
公文創始者は自らが「黒表紙」で学習した算数の中から、特に「計算技術と数量の知識の伝授」を目的として、それに特化した教材を作ったのが公文式の算数・数学ということなのだそうです。
なるほど。。。
戦前の日本の算数教育の一部を脈々と引き継ぎつつ、今や世界に学習者がいる学習システムになっているのですね。
完璧な教材というのは世の中に無いので、受講する際には、本書に書かれている「公文式の弱点」も念頭に置きながら学習するのが良いのではないかと思いました。
以下、備忘録メモです。
p.58
創始者の公文公はもともと高校の数学教師で、代数系の計算力さえ高めておけば、文章題や図形問題は自ずとできるようになるという信念を持っていた。
そこであえて文章題や図形問題を捨て、計算能力を高めることに特化した教材を開発したのだ。
p.132
要は、マニュアルどおりに進めていけば必ず正解にたどりつき、正解にたどりつくと次のステージに行ける。
そこに達成感がある。
頭がいい悪いはあまり問われない。
要領がいい悪いもあまり問われない。
だから、どのレベルの子供にもいい教材である。
教師不要。
〜
問題点は、
余計なことをモヤモヤ考えることがない、
他人の考え方に触れることもない、
正解のない問いに対して最適解を出すような内容の教材ではない
の3点。
よって、21世紀型学習、正解のない問いへの対応はこれだけではできない。
人工知能が進化したら、人間にとってあまり意味がない勉強システムになるのではないか。
p.150
公文式をやっている友達も、公文式を楽しんでやっている様子だったが、彼らはどんどん前に進めることや、人よりも先に進んでいること自体を楽しんでいるようだった。
勉強そのものを楽しんでいるようには見えなかった。だから年齢が上がっていくと伸びが止まってしまうのではないか。
p.160〜161
もしも公文式を中学受験に取り入れたいと考える人は、最終的な着地点を決めて、どこまでを公文式に担ってもらうかを考えたべきでしょう。
スピーディーかつ正確な計算力は魅力的ですが、受験算数という教科の奥深さを考えるとき、公文式を極めることが中学受験にとって即座に役に立つとは思えません。
〜
「できるだけ早く解答し、見直しなどしない」というのが公文式出身者に共通する欠点。
ミスは先生に指摘してもらうと思い込んでいるからです。
〜
中学受験塾講師からすれば、「公文式は頼りすぎてはいけないもの」という見解が一致している。
p.163〜166
公文式は考える力を養わないなどの批判もあるが、考える以前に計算力がないと、そもそも思考の起点にすらたどり着きません。
〜
学校の宿題や計算ドリルなどの反復量が減っているため、今、子供たちの計算力はかなり貧弱になっている。
〜
公文式を万能の教材とみるのではなく、基礎を固めるものとして早いうちから取り組むことによるメリットは大きいと思います。
〜
開始時期
国語: 学年を意識する必要はあまりない
算数・数学、英語: 学校での学習に先駆けて進むことが理想。
〜
公文式をやっていたと言うからには、自分の学年よりも最低3年は上位の進度を達成していることが必要
(小3の終わりまでにF教材を終えていないと、中学受験勉強でのメリットも少ない)
2022年 1冊目