連休中にこちらの書籍を読みました下矢印
 
 
第1部 「毒になる親」とはどんな親か
第2部 「毒になる親」から人生を取り戻す道
 
読みながら改めて、親の心無い言動が如何に子どもを傷付けるかということを認識しました。
親も完全ではないことを自覚した上で、親も自分自身の人生を生きること(=子どもの人生に自身を投影し過ぎない)を意識しなくてはいけないと思わされました。
 
以下、備忘録のメモ書きです。
 
ハイビスカス「毒になる親」とは
この世に完全な親などというものは存在しない。
どんな親にも欠陥はあり、だれでも時にはそれをさらけ出すことはあるものだ。
どんな親でも一日24時間子どもに気を配っていることなど不可能だし、時には大声を張り上げてしまうこともあるだろう。
それに、時には子どもをコントロールしすぎることもあるだろうし、たまになら、怒ってお尻を叩くこともあるかもしれない。
そういう失敗をしたら親として失格なのかといえば、もちろんそんなことはない。
親子の間に基本的な愛情と信頼感が十分にあれば、たまに親が怒りを爆発させることがあっても子どもは大丈夫なものなのである。
ところが世の中には、子どもに対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子どもの人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる。
子どもに害を及ぼす親とは、そういう親のことを言う。
 
 
ハイビスカス「神様」のような親
小さな子どもにとって、親は生存のための全てであり、そういう意味では神のようなものである。
そういう状況のもとにある小さな子どもは、たとえ親が間違っていても、それを知る方法がない。
子どもが親から離れていくプロセスは思春期にピークを迎え、子どもは親の価値観、好み、権威といったものと対立していく。
心の不健康な親は、幼児期から思春期に至るまで、あるいは成人していればなおのこと、子どもの離反はおろか自分と考えが違うことすら自分に対する個人的な攻撃と受け止めてしまう。
そういう親は、子どもの「非力さ」と親に対する「依存度」を大きくさせることによって自分の立場を守ろうとする。
子どもの健康的な精神の発達を助けるのではなく、それと反対に無意識のうちにそれをつぶそうとするのである。
しかも困ったことに、しばしば本人は子どものためを思ってそうしているのだと考えていることが多い。
このような親のネガティブな反応は子どもの自負心を深く傷つけ、開きかけている独立心の芽を摘み取ってしまう。
 
 
ハイビスカス”いい子”でいることの代償
親を怖がっている子どもは自信が育たず、依存心が強くなり、「親は自分を保護し必要なものを与えてくれているのだ」と自分を信じ込ませる必要性が増す。
残酷な言葉で心を傷つけられたり、体罰を加えられて痛い目にあわされた時、幼い子どもは「きっと自分がいけなかったのだろう」と思う以外に自分を納得させる道がない。
このように、親がどれほど”有毒”でも、幼い子どもはこの世にひとりしかいない父や母を自分にとって最も大切な存在であると考えるものだ。
 
 
ハイビスカスアイデンティティの分離ができない
自分が自分でいることに対していい気持ちでいられる親は、子どもをコントロールする必要がない。
どのような親でも、子どもが一人歩きできるようになるまでは何らかのコントロールが必要なのは当然のことだ。
だがノーマルな家庭では、子どもが思春期を迎えた少し後くらいからコントロールの程度を減少させ、それから先は自分で歩かせるための移行期間となっていくのが普通だ。
 
 
ハイビスカス親の言葉は”内面化”する
友人や教師や兄弟姉妹その他からけなされても傷つくことには違いはないが、子どもが最も傷つくのは親の言葉だ。
全能のはずの親が自分のことを悪いと言っているのなら、「自分は悪いに違いない」と潜在意識は感じる。
人間の脳は、人から言われた言葉をそのまま受け入れ、それをそっくり無意識の中に埋め込んでしまう性質がある。
これを「内面化」といい、ポジティブな概念もネガティブな言葉や評価も同じように無意識の中に収納される。
すると次に、人から言われた「お前は○○だ」という言葉が、自分の内部で「私は○○だ」という自分の言葉に変換されるのである。
これは子どもにおいては特に顕著で、親のけなしやののしりの言葉は心の奥に埋め込まれ、それが自分の言葉となって、低い自己評価や人間としての自信のなさのもとを形作ってしまう。
 
 
ハイビスカスなぜ彼らは子どもに暴力を振るうのか
子育てをしたことのある親なら、そのほとんどが一度や二度は子どもを叩きたいという衝動にかられたことはあるに違いない。
特に子どもが泣きやまなかったり、わけのわからぬことを言ってダダをこねたり、反抗した時などには、そういう気持ちになることがあっても無理はない。
だが、それは子どもがそういう行動をしたからというより、その時の親の精神状態、例えば、ストレスがたまっている、不安や心配事がある、または自分が幸福な人生を生きていない、まどが原因であることのほうが多いのである。
 
 
ハイビスカス親の「ものの考え方」
「毒になる親」は、ひとことで言えば考え方が非常に中心的で、何事も自分の都合が優先する。
例えば
「子どもはどんなことでも親の言うことを聞くべきだ」
「親のやり方が絶対正しい」
「子どもは親に面倒を見てもらっているのだから、いちいち言い分を聞いてやる必要はない」
などの考え方である。
このような考え方こそ「毒になる親」が育つ土壌である。
 
 
ハイビスカス親子の境界線の喪失
健康な家と「毒になる家」の最大の違いは、家族のメンバー一人ひとりにどれほど個人的な考えや感情を表現する自由があるかという点である。
健康な家庭では、子どもの個性や責任感や独立心などを育み育てようとする。
そして子どもが「自分は人間としてそこそこの価値はある」と感じ、自尊心を持つことができるように励ましてくれる。
だが、「毒になる親」のいる不健康な家庭では、メンバー一人ひとりが自分を表現することを認めず、子どもは親の考えに従い、親の要求を実行しなくてはならない。
だが、そういうことをしていると、個人間の境界がぼやけ、何が自分の本当の意思なのか分からなくなってしまう。
内部で複雑にもつれ合った家庭では、子どもは親の承認を得ているという安心感を得るためには、本当の自分を売り渡さざるを得ない。