昨日に引き続き、子どもの絵についての話です。
ドイツのシュタイナー幼稚園で実習され、『ぬらし絵とクラフトのクラス 』を主宰している方の書いたこちらの書籍
- 子ども・絵・色―シュタイナー絵画教育の中から/イザラ書房
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昨日記事にした本との共通点としては、
大人から見て上手な絵を描くように強いない
例: 子どもが「お母さん」と言って描いている時に、「お口は?」「お鼻は?」などと言って顔らしくなるようなことはしないこと
簡単な略図でものの描き方を教えない
例: 「家」は四角に三角の屋根、など略図を教えると、色々なモノの捉え方の中から子どもが自分で発見し、自分で表現する芽を摘んでしまうことになる
といったことがありました。
子どもに「どうやって描くの?」と尋ねられたら、一緒に実物を見たり、想像の助けになるような声を掛けてあげると良いのだそうです。
ドイツのシュタイナー幼稚園で実際に行っている表現方法として紹介されていて、私も娘とやってみたいなと思ったのは
ぬらし絵
ブロック型クレヨンを使ったクレヨン画
の2つ
ぬらし絵は、水でぬらした紙に赤、青、黄色の三原色の絵具で描くやり方なのですが、私がいいなと思ったのは、始める前に子どもたちは「虹」という歌を歌うそうなのですね。
歌いながら絵筆で自分の手の平をなでる仕草をすることを通じて、描いている時に紙がどう感じているかを体験し、「やさしく描きましょう」ということをそれとなく教えているのだそうです。
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ブロック型クレヨン画を使ってドイツの子どもが描いた絵が本書の中に掲載されているのですが、普通のクレヨンとは全く違った趣の絵で素敵だなと思いました。
スティック型のクレヨンは細い線なのでものの輪郭を描くことが多くなりがちですが、ブロック型クレヨンは面で描くことが出来、子どもたちは色彩や形に気持ちを集中できるのだそうです。
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クレヨン画の遊び方として紹介されている以下2つも楽しそうだなと思いました。
ひっかき絵
明るめの色で紙の上を塗りつぶし、その上から下が見えないくらいに黒いクレヨンで塗りつぶす。
とがらせた割り箸などで黒い面をひっかくと、下に塗った色が出てくる。
(下に塗る時は、色を区切って何色も使ったほうが楽しめる)
こすり絵
薄手の紙の下に木の葉を置いて、その上からクレヨンで優しくこすると葉っぱの形が現れる。
最後に、少し長いですが、本書に掲載されていた神津カンナさんが幼い頃のお母様との会話を回想して書いた『教えなければ、考える』という文章が、『「敢えて教えない」ことの大切さ』という意味でとても響いたので、以下に一部抜粋・転載します。
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「ある時にね、物干しにぶら下がっていた洗濯物から、しずくが垂れていたの。
カンナはそれを見て”あれはなーに?”と聞いてきたんだけど、わたしはわざと答えなかったのね。
そうしたらあなたはどうしたと思う?
”あれは泣いているのかな。でもきれいになって気持ちよくなったのに泣くのはおかしいよね。あ、でもうれしくても涙が出ることがあるか・・・”
なんて、ひとりごとを言いはじめるじゃないの。
その時に、ああ、子どもっていうのは教えるばかりが教育じゃないんだ。
教えずに自分で考えさせるのも大切だって、つくづく感じたのよ」
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