凍てつく | I Pray For...

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ショートショートやナチュラルストーンのハンドメイドアクセサリーなど、
何かを書いたり作ったり。羽生結弦選手について勝手に語ったり。
好きな音楽や芝居のことなども時折熱く語ります?

そんなの嘘だ。どうして?あたしは認めない。


確かにそこにあの人は横たわっていて、そして今まで見たことのない
青ざめた顔色をして目を閉じているけれど、そんなことあたしは認めない。


こんな地下の薄暗い部屋はあの人には似合わないから、あの人の手を引いて
この部屋から出たいんだけど、いくら引っ張っても起きてはくれない。
どうして起きてくれないんだろう?ねぇ?どうして?どうしてなの?
どんなに問い掛けてもあの人は答えてくれない。


いろいろな人たちが入れ替わり立ち代わり、あの人の周りに白い花を飾る。
あたしは白い花のように、頭の中は真っ白で何かを感じることも
考えることも放棄している。わかっているのは今、隣にあの人がいないことだけ。

誰かがあたしに何かを言った。それはとても悲しい言葉だったような気がするけど
言葉たちはあっという間に白い世界にとけてしまったきり。


夜中の長電話も、週末の約束なんてなくても、あの人がいないことの理由になんてならない。
そう、あたしの側にいないことさえ理由になんてならないんだ、ならないんだ。

時間だけがあたしの前を通り過ぎる。あたしは今もあの場所にいて、あの時間から
抜け出せないでいる。


凍てついた唇は、あの人のくちづけを待っているのに。あの人の唇がみつからない。

凍てついた体は、あの人の抱擁を待っているのに。あの人の姿がみつからない。


まだ、あたし、さよならさえ言っていないのに。まだ、なにひとつ言っていないのに。

あたしのなかで、言えなかった言葉たちが今日もまた一つ息絶えていく。

凍てついたあたしの心とともに。