まるでドラマの最終回で
謎解きを見ているような面持ちで
国民全員が注目してたのではないか。
死体を前に身代わりをマネージャーに依頼する
など、正にサスペンスドラマの脚本である。
押尾はそのサスペンスドラマの犯人役。
そして自ら監督兼脚本家。
押尾の頭の中で監督が怒鳴る。
女性が意識がなくなった。
ハイ、そこでどうする?
心臓マッサージなんかやるか?
お前は今まで心臓マッサージなんかやったことが無いぞ。
それより自分の芸能人トップスターとしての
立場をかんがえるだろ!どうする?
お前はここにいちゃ不味い。
マネージャーがやったことにしろ!
身代わりを立てるんだ。
落ち着いて証拠をひとつひとつつぶせ。
携帯に証拠は残ってないか?
MDMAの残りは何処で処分する?
体内に残った薬をなくすには・・・?
そうだ、ここが役者の腕の見せ所だぞ。
しかし最終回はそこではなかった。
裁判所でのやりとりが見せ場だったのだ。
信頼していたマネージャーの裏切り証言。
薬物を購入していた売人の証言。
過去関係を持った女性の証言。
くそっ!俺が書いた脚本のアリバイが全部崩れていく・・・
弁護士は何をしてるんだ。
そうだ、ここは役者としてペン回し・・机を叩く。
こんなはずじゃあなかった。
脚本を追加しよう。
上告して次のカットを作る。
そして逆転無罪を勝ち取る!
そこで俺は作られた真実を訴え続け、戦い抜いたヒーローだ。
まだ彼の中では演技が続いているのかも知れない。