テレビ出演することに迷いがある。悪魔に相談するが高木の真実の気持ちを聞かされ・・・ | ふりちんの寅のブログ

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神崎はマスノートとリュウザキから貰った名刺を見比べている。

あの狼の目。

それが簡単に本名を明かすはずが無い。

偽名の名刺か!

今ここでリュウザキを殺しても何の得にもならない。

ただ殺すと宣言してオクラテレビに出ると300万手に入る。

大学の寄付金さえ払えば勉強からは開放されて・・・晴れて大学のキャンパスライフをエンジョイできる。

可愛い女とやりたい・・・やりてェ。

高木の事は聞けなかった。

リュウザキも話題にしなかった。

やばかった。アソコで高木の名を出されたら平静を装い通せたかどうか?

リュウザキたちはミスをした。

あの場で高木がどんな死に方をしたかを伝えて神崎の動揺を見るべきだった。

しかし、あの最後の一言「ぼくの名前はライトじゃありません!・・・クルトです」

あれで勝負は決まったのだ。

皆がコケて突っ込み所を失った。

やはり並みの敵では無い!

すると神崎巡査のボケも装いか?まさか・・親父は本物のボケだ。

しかしターゲットは絞り込めた。

神崎から目を離さない・・必ず・・近いうちに動き出す。

持っているだろうノートを押収することだ。

ノートの仕組みを知らないとどういうしっぺ返しを食らうか判ったもんじゃない。

「妾腹亭万光師匠!いるなら出て来い!」

「アカンって。師匠は嬉しいけど、出てこい言うたら上から目線やがな」

「俺は悩んでるんだよ。オクラテレビから出演交渉が来てる。受けるべきかどうか・・それでリュウザキを殺すかどうか・・」

「その男を殺したら何か得があるんかいな?」

300万が手に入る、それで大学に行ける」

「で、ネエチャン軟派しておまんこしてドッピュンして手錠がッちゃん・・かいな」

「それは困る」

「わいはオナが警察捕まってもちーとも困りませんがな」

「じゃ、止めか」

「人間ておもろい生きもんやな」

「バナナ食えなくなるぞ」

「は~ん、それで上から目線なんかいな。勘違いしたらアカンでェ。わいは鶴光に戻るだけやで」

「そうか。悪魔の目みたいな何か使える道具はないのか?」

「ふーん、わいは面白ろないが、女をノートで処刑する場合、オナが片玉を悪魔に渡すと書けば死なんですむ。ちゅうのはあるなあ。」

「な、何でそれを教えてくれないんだ」

「悪魔は聞かれんこと意外には答えられまへんのや。」

「うう、高木ィ・・」

「そんなに惚れとって何で名前を書いたんや?あの高木いう子は浪人生とSEXなんかしてへんでェ。オナの気持ち取り戻そ思うて、ウソついてたんやでェ。」

「げえ!本当か、それは。本当なのか?」

「サービスはここまでや、後はバナナ100本でしゃべったる」

「くそ!消えろ!」神崎の目から涙が溢れ出た。

「まだ上から目線なや、まあ、ええか。・・ほな、さいなら」

翌日オクラテレビに出向いた。

「小倉さんに会えますか」受付で面会を求めた。

ロビーの隅でタイガーマスクのマスクをつける。

「おうおう。わざわざ来てくれるとは・・こっちは三宅プロデュサーだ」

小倉に三宅。ベターハーフな訳だ。小倉の顔の髭も手の甲のもじゃもじゃな毛もつじつまが合う。

三宅はかすれ声で「金の話は俺が責任を持つ」

「どう。出れるか?」

「あの、顔隠してでるのはいいです。でも処刑は・・今動くと警察はもっと厳しく俺を監視するだろうし、実際親父は人質に取られています」

「ま、最初はそれでいいだろう。でもシリーズ化して2・3回とやる事。他所の局へは出ない事が条件だ」

「はい!」

「いつやる?」

「今日でも覆面でいいですか?」

「よし会見をインサート。差し替えだ。今日の予定は?」

「飛ばせるとすれば、銀座の1000円ランチ特集かな」

「飛ばせ飛ばせ!よーし視聴率30は堅いぞ。前宣伝を流そう!30秒と1分のビデオ準備」

「あの俺は何を話せば・・・」

「オナちゃん、いいぞ。飯食いながら打ち合わせしよう」

肩を組まれ立派な応接室に通された。

「何っ!オクラテレビでオナが会見やるって?」

「今テレビでバンバン番組の前宣伝してます」

「テレビを点けろ!」

「くっそ~!小倉の野郎、あくまで視聴率かァ?ああ?警察に挑戦状をくれたも同然だ!」

蓑田刑事がオクラTVに電話した。

「おい、小倉。何を流す?」

「それは生なんで。オナが何をどこまでしゃべってくれるのかは・・うちは生が売りですから、生が」

先日の下手なリュウザキ管理官のビデオを皮肉っているらしい。

神崎はオナがどうして処刑を始めたのか、そしてノートの存在を旨く証明するように言われた。逆に神崎は聞いて欲しくないポイント、そして警察に捕まらないように帰宅させることを約束させた。

フロアをのぞいてみると曇りガラスの衝立が用意され、音声も変えて流されると聞いて安心した。5分前の声でスタンバイする。警察は番組が始まると同時にTV局に向かった。

「いいか、番組が終わったら身柄を押さえるぞ。放送途中でも発言内容によっては突入だ」

「こんばんは、今日は世間で注目を浴びている事件、女性の救世主オナさんにスタジオにお越しいただきました。お顔を見せられないのでこのような形での放送になることをご理解ください。ではオナさんから一言お願いします」

「オナです。僕は正義のために女性の敵を処刑しています。犯罪に巻き込まれて泣きを見るのは女性です。そんな女性達に事件前の明るい笑顔を取り戻して欲しいのです」

「ありがとうございます。女性としては強い味方を得た思いです」

前打ち合わせで高木のことには触れない約束になっていたので女性を処刑したことは伏せられた。警察も未発表なので世間はなにも知らないのだ。

「性犯罪の数も・・東京では痴漢の被害もなくなったと数字が表われています。今後のご活躍をお祈りしています。そしてまた番組に来ていただけますか」

「ああ、いいですよ」

「それでは又明日このチャンネルでお会いしましょう」

「よし、身柄確保だ。行け!おい!みんな動くな」

ブースから飛び出しキャットウォークを走る。

摺りガラスを跳ね飛ばした。

中にはタイガーマスクの覆面をした男が中腰で逃げようとしていた。

「手を上げろ!大人しくしろ」

覆面をはぐと、デストロイヤーの覆面を被っている。

「この野郎。神崎、観念しろ」

「はあ、なんでしょうか?」

デストロイヤーの覆面を取ると神崎とは違う男が顔を出しニヤリと笑った。

神崎は番組終了と同時に偽者と入れ替わり別の出口から大道具のトラックに隠れて局をあとにしていた。

キャットウォークを走っている間に入れ替わられたのか?

そして局の計算通り視聴率は32.6㌫という番組始まって依頼の高視聴率を獲得し、神崎は325万円の金を得た。銀行口座には350万円が入金されていた。

「局長賞が出た。おまけだ。今度も頼むぜ」

                      つづく