出張で地方のホテルに泊った時に
いきなり今日は失敗したと思った。
まずロビーが暗い。
フロントに人がいない。
チェックインしたのは夕方を過ぎていた。
何度も声をかけてフロントに人が現れた。
鍵を渡すとまたすぐにいなくなる。
夕方のビジネスホテルじゃそんなもんかな?
部屋はエレベーターを降りてすぐ。
部屋に入ると証明が暗い。
窓の外は真っ暗。ガラスに写る自分の姿。
お風呂にお湯を張りながら、嫌な気が増した。
ホワイトのユニットバスが黄色く変色してそこもまた暗い。
壁に一枚の絵画。
恐る恐る額の裏側を見ると御札が張ってある。
やべぇ。当たりだ。
しょうがない。俺はあまり霊感とか無いほうだし、普段はあまり気にしない。
だけど、今日はいかんなあ。酒でも飲んで寝るか。
表に出て炉辺焼き屋があったので、かなりの酒を飲んで部屋に戻った。
バスタブのお湯は冷たくなっていて、今日は風呂は止しにしてベッドに潜り込む。
ベッドサイドの小さな灯りだけにして毛布を頭から被った。
ふと気になり頭を出すと、窓のカーテンを閉め忘れている。
ガラスに薄暗い部屋にいる俺の姿が映りこんでいる。
あわててベッドからでてカーテンを閉めた。
ちいさなオレンジ色の灯りに一枚の絵画が目立つ。
あ~気にしないで寝よう。
夜中に目が覚める。
エレベーターの動く音。
しゅーん、ういーん、がしゃん。文字に出来ないほどのかすかな音だが気になると目がさえる。
時計を見ると2:30頃。
今頃チェックイン?まさか。
酒でも飲んで戻ってきたか?
ホテルの周りにはほとんど何も無い。俺の飲んだ炉辺焼き屋もラストオーダーで締め出されたのだから。
目をつぶる。
ざっざっざっ。規則正しくあるく大勢の足音。
またエレベーターの音。
たまらずドアを開けて確認する。
怖いもの見たさ。
違う。
確認して何も無いことを見ないと安心できない。
廊下の突き当たりに非常階段のドアが見える。
ガラスの向こうに人の影?
隠れるように部屋に戻ってテレビを付けた。
続く