世界にはコーヒードリンカーの国と、
ティードリンカーの国があります。
どちらもカフェインで心を落ち着けてホッとするのに必要不可欠な存在なのでしょう。
そして日本は元々ティードリンカーでしたが、
今はコーヒーの消費量の方が多くなったようです。
とは言うものの、
やはり本質はティードリンカーではないかと思っています。
理由は「お茶は無理」と言う感覚が染み付いているからです。
飲食店ではお茶が無理で提供されますが、
コーヒーは有料です。
お店でお茶を残して席を立つ人はいっぱいいますけど、
お店でコーヒーを残して帰る人は少数派です。
古いアメリカの映画を見ていた時、
主人公のジョン・ウェインが「出撃せよ」との連絡をもらった際に、
飲みかけのコーヒーをバッと床に捨てて急いで出撃準備を始めるシーンがありました。
「ああ、コーヒーがもったいない」と思ってしまったのですけど、
これが日本の三船敏郎なんかだったら、
飲みかけのお茶を捨てて刀を持って出てゆくシーンに
「もったいない」なんて違和感を覚えなかったでしょう。
一般的になるって、
こんなことではないかと思います。
靴選びをする際に、
昔は足を計測して購入したと聞いています。
私の父親が軍隊に入った時は、
先任の下士官が足を測って
「川井二等水兵の靴はこれである」ってピッタリの革靴を支給してくれたそうです。
それがいつの間にか靴の購入はセルフサービスとなってしまいました。
お店でいくつか試し履きをして、
「これで良いだろう」ってお客が自己責任で判断して買うようになってしまったのです。
良い靴の情報は色々なメディアで得ることはできますが、
それが自分に合っているかどうか助言してくれる人がいなくなってしまったのです。
シューフィッターが足を見て、
お客様に合った靴のアドバイスをする。
これがお茶のように「当たり前」になれるように、
私たちは頑張って行かねばならないのですね。