ヘンリー・フォードの言葉に
「顧客に今欲しいものが何かを尋ねたら、
もっと速い馬が欲しいと答えただろう」
ってのがあります。
なるほど！って思います。
自動車がそれほど普及していなかった時代ならば、
欲しいものは自動車ではなくて、
速く走る馬が人々の望みなのですね。
でも、自動車の存在を知らないからそんな答えになるのであって、
人々が望んでいるのは、
「早く快適に移動する」ってことに変わりがないのです。
一歩堂にお越しのお客様も
「こんな靴を探している」ってご希望を伝えてくれますが、
必ずしも、その靴が本当の望みではない可能性があるのです。
今の時期は
「歩き易いスポーツサンダルを探している」と言うお客様が多いのですが、
お話をじっくり伺っていると本当のご希望は
「歩き易くて快適でお洒落なサンダル」
だったりします。
そこでヒールが高いけれど歩き易くてお洒落なサンダルをご提案すると、
大喜びして下さった例がありました。
「ヒールが高いサンダル」イコール「お洒落だけど歩きにくい」って先入観があって、
自動車の存在を知らないのと一緒なので、
靴屋に入るときに選択肢に入らないのです。
そこで私たちは時間をかけてお客様との対話を大切にしています。
じっくりお話を伺えば、
お客様の本当の望みが分かってくるからです。
こうして、想像以上の靴をご提案できたとき、
お客様は心から喜んでくださいます。
その笑顔を見たいから、
私たちはお話を伺い提案を続けるのです。