(このままじゃ、僕ら全員殺される)
幸一の脳裏に、いつか学校で見た映画が浮かんだ。
戦争で両親と家を失った兄と妹が洞窟で暮らす映画だ。
「…たか、し…」うまく話せない。
「なぁに兄ちゃん」
「ここから出て…いこ。兄ちゃんと一緒に…どこかで暮らそう」
驚いた顔で隆司が訊く。
「そんなことできるの?兄ちゃん」
幸一には微かな希望が有った。
少し離れた場所に、今は使われていない古びたアパートが
あるはずなのだ。
そこなら、なんとか暮らしていけるんじゃないかと幸一は考えた。
水はどこかから汲んでくる。
食べ物は近くの畑から貰う。
もう二度と捕まらずに万引きを続けるつもりもある。
自分一人が汚れるだけで弟と妹が助かるなら、
地獄で暮らすよりもなんぼかマシだ。
僕が弟と妹を守らなきゃ、いつか全員殺される。
僕達を殺す権利なんて誰にもないんだ。
四へ
幸一の脳裏に、いつか学校で見た映画が浮かんだ。
戦争で両親と家を失った兄と妹が洞窟で暮らす映画だ。
「…たか、し…」うまく話せない。
「なぁに兄ちゃん」
「ここから出て…いこ。兄ちゃんと一緒に…どこかで暮らそう」
驚いた顔で隆司が訊く。
「そんなことできるの?兄ちゃん」
幸一には微かな希望が有った。
少し離れた場所に、今は使われていない古びたアパートが
あるはずなのだ。
そこなら、なんとか暮らしていけるんじゃないかと幸一は考えた。
水はどこかから汲んでくる。
食べ物は近くの畑から貰う。
もう二度と捕まらずに万引きを続けるつもりもある。
自分一人が汚れるだけで弟と妹が助かるなら、
地獄で暮らすよりもなんぼかマシだ。
僕が弟と妹を守らなきゃ、いつか全員殺される。
僕達を殺す権利なんて誰にもないんだ。
四へ