知り合いの看護師さんから聞いた話である。
その朝、病棟に上がった途端、向こうから後輩が急ぎ足でやって来た。
「佐藤さん、大変です。今田さん居なくなりました」
七十五歳になる老女である。
先月から入院しているが、一度たりと無断外出などしたことは無かった。
佐藤さんが固まったのは、ほんの一瞬である。
頭より先に体が動いた。
「今田さん、今日の服装は?」
「いつもの水色のカーディガンです。手押し車が見当たらないので、
多分それを使って」
「歩けないわけじゃないからね、そうかもしれない。問題は行き先よ。
御家族には連絡取った?」
「はい、御主人が向かってられます」
警備室に電話を入れ、特徴を伝え、院内外の捜索を依頼する。
そこまでやってから、佐藤さんは自らも玄関に向かった。
この時間帯、いつも外来の受付に座っているおばあちゃんを探す。
特に病気ではないのだが、毎日通っては昼過ぎまで
のんびりと過ごしているのだ。
その朝、病棟に上がった途端、向こうから後輩が急ぎ足でやって来た。
「佐藤さん、大変です。今田さん居なくなりました」
七十五歳になる老女である。
先月から入院しているが、一度たりと無断外出などしたことは無かった。
佐藤さんが固まったのは、ほんの一瞬である。
頭より先に体が動いた。
「今田さん、今日の服装は?」
「いつもの水色のカーディガンです。手押し車が見当たらないので、
多分それを使って」
「歩けないわけじゃないからね、そうかもしれない。問題は行き先よ。
御家族には連絡取った?」
「はい、御主人が向かってられます」
警備室に電話を入れ、特徴を伝え、院内外の捜索を依頼する。
そこまでやってから、佐藤さんは自らも玄関に向かった。
この時間帯、いつも外来の受付に座っているおばあちゃんを探す。
特に病気ではないのだが、毎日通っては昼過ぎまで
のんびりと過ごしているのだ。