ポイントエリアへの正確なスローイング、
全力の戻り足、
確実なドロップ。
これが完璧に出来れば、一つでも多く投げられる。
そして源次とテルはまさしく、その三つを完璧にこなしていた。

ラスト2秒。
源次は落ち着いて最後の一投を決めた。
最後の一投が秒読みの0の時点で投げられたとしても、
そのスローイングは有効になるのだ。
1Rの得点、20ポイント。
初めて参加した者では有り得ないポイントが出た。

「うむ。まずまずだな」
源次はテルに話しかけた。
テルは当然だとばかりに源次を見上げて、フン、と鼻を鳴らした。

「源さん、すごいっ!」
芳美が半泣きで駆け寄ってきた。

「この赤いバンダナのおかげだよ。これでだいぶと落ち着いた」

「いこう。源さん、優勝しちゃお!」

「まぁ、できるだけやってみるよ。…とは言ってもこいつが」
源次はテルの頭を撫でる。

「許してはくれんな。勝つぞ、と言ってるようだ」
テルがまた、フン、と鼻を鳴らした。


十三へ