「死なせない。絶対、守ってみせる」
呪文のように唱えながら、志乃は走った。
一軒目の医者に断られ、二軒目の医者は休診。
ようやく三軒目が応じてくれた。
医師の車に同乗し、徹の部屋に戻る。
徹は激しく咳き込んでいた。
「徹さん!」
医師は一目見て、直ぐに判ったようだ。
落ち着いて診療を開始した。
徹の胸の音を聴きながら、医師は言った。
「お母さん、息子さん…やはり結核ですな」
「結核?!」
この当時、有効な抗生物質は発見されていない。
結核になるということは、即ち死を意味していた。
徹を病院へ任せ、志乃は店に戻った。
「転地療養が最も効果がある。」
灯りもつけない部屋で、志乃は医師の言葉を反芻していた。
転地療養しか無いのは判っている。
徹の体力なら、静養さえしていれば回復の可能性は高い。
が、その為には金が要る。
少なくても一年半。長ければ二年。
その間の治療費と生活費、
何よりも大学の学費が二年分、余計に掛かる。
まとまった金が必要なのだ。
呪文のように唱えながら、志乃は走った。
一軒目の医者に断られ、二軒目の医者は休診。
ようやく三軒目が応じてくれた。
医師の車に同乗し、徹の部屋に戻る。
徹は激しく咳き込んでいた。
「徹さん!」
医師は一目見て、直ぐに判ったようだ。
落ち着いて診療を開始した。
徹の胸の音を聴きながら、医師は言った。
「お母さん、息子さん…やはり結核ですな」
「結核?!」
この当時、有効な抗生物質は発見されていない。
結核になるということは、即ち死を意味していた。
徹を病院へ任せ、志乃は店に戻った。
「転地療養が最も効果がある。」
灯りもつけない部屋で、志乃は医師の言葉を反芻していた。
転地療養しか無いのは判っている。
徹の体力なら、静養さえしていれば回復の可能性は高い。
が、その為には金が要る。
少なくても一年半。長ければ二年。
その間の治療費と生活費、
何よりも大学の学費が二年分、余計に掛かる。
まとまった金が必要なのだ。