京都府京都市下京区東塩小路町にある、
西日本旅客鉄道、京都駅の一番線ホームに、
その男は立っていた。
周りの構築物からすると、身長は180cm、もしかするとそれ以上
あるものと思われた。
黒のダウンジャケットの右肩にFIRST DOWNとロゴがある。
ジーンズはMARAXIAの#648 glare Vintage Blue、
ローライズでスリムのデザインがよく似合う男だ。
停車中の富山行き特急・サンダーバードの窓に映る己の姿に見惚れ、
飽きることなく何度も髪を整えている。
やや茶色がかった髪が、耳に輝く金のピアスと似合っている。
国籍を疑うような高い鼻を軽く鳴らし、男はCASIO社製のW53CAを
取り出した。
どうやら相手はワンコールで出たらしい。
直ぐに話し始めた。
「あと20分ぐらいで着くから」
もう一度、サンダーバードの窓に自らを映している。
「それじゃ」
i-Podのイヤフォンから漏れるのは、ミッシェルガンエレファントの
世界の終わりだ。
曲にあわせ、歩き出した長い足に白い物が絡んだ。
イヤフォンのコードだ。
ポケットに手を突っ込んだ時に外れたのだ。
コードは男の太股に白蛇のように纏わりつき、千切れた。
「ああっ!」
苦々しげにコードを手に取る。
目の前の柱には気づいていないようだ。
西日本旅客鉄道、京都駅の一番線ホームに、
その男は立っていた。
周りの構築物からすると、身長は180cm、もしかするとそれ以上
あるものと思われた。
黒のダウンジャケットの右肩にFIRST DOWNとロゴがある。
ジーンズはMARAXIAの#648 glare Vintage Blue、
ローライズでスリムのデザインがよく似合う男だ。
停車中の富山行き特急・サンダーバードの窓に映る己の姿に見惚れ、
飽きることなく何度も髪を整えている。
やや茶色がかった髪が、耳に輝く金のピアスと似合っている。
国籍を疑うような高い鼻を軽く鳴らし、男はCASIO社製のW53CAを
取り出した。
どうやら相手はワンコールで出たらしい。
直ぐに話し始めた。
「あと20分ぐらいで着くから」
もう一度、サンダーバードの窓に自らを映している。
「それじゃ」
i-Podのイヤフォンから漏れるのは、ミッシェルガンエレファントの
世界の終わりだ。
曲にあわせ、歩き出した長い足に白い物が絡んだ。
イヤフォンのコードだ。
ポケットに手を突っ込んだ時に外れたのだ。
コードは男の太股に白蛇のように纏わりつき、千切れた。
「ああっ!」
苦々しげにコードを手に取る。
目の前の柱には気づいていないようだ。