『ソレデハ ゴヨウガ アリマシタラ オヨビクダサイ』

出て行こうとするアールを真吾は慌てて呼び止めた。
「おい、ちょっと待ってくれ。えぇと…アールだっけか。
この基地に修理用の部品は無いか?
それと、地球に連絡を取りたいんだ。」

アールは目玉をキョロキョロと回している。
どうやら考えているらしい。
『フム。 ソウイウコトデシタラ ニバンソウコ二
ゴアンナイシマショウ』

アールの後を追い、真吾は基地の中を第二倉庫へ向かった。
基地の中は思った通り、酷い有様であった。
金になりそうな物は全て持ち去られている。
第二倉庫も例外では無かった。
空っぽの棚が並んでいるだけだ。
それでも微かな希望を繋ぐ為、真吾に出来るのは虱潰しに
探すのみだ。

『デハ ワタクシハ コレデ』

立ち去りかけたアールを呼び止め、真吾は礼を言った。
「ありがとう。助かるよ」

アールが頭だけを回して真吾を見つめている。
「どうした?何か?」

『アリガトウ トイウノハ … ドウイウ イミデショウカ』

「ありがとうは…ありがとうだよ。とても嬉しい、幸せだってことだ」

『フム。 アリガトウ デスカ… ヨイ コトバデス 
ハジメテ キキマシタ』
アリガトウ、アリガトウ、何度も繰り返しながらアールは
倉庫から出ていった。