さて、妖怪の強さを訪ねる旅も終わりに近い。
今日は、鬼太郎軍団の空の要・一反木綿に会いに行く。

鹿児島県大隈地方出身の彼は、その朴訥な性格と意外な強さで人気も高い。
私もお会いできるのを楽しみにしていた。


お、あそこに見えるのがそうかな?
ふわふわと漂っておられる。

「ゆくさ、おさいじゃった」

うぅむ、やはりディープな鹿児島弁だ。
これ以降は通訳してお届けしよう。

「ようこそおいでになった」

家に案内された。

あ、初めまして。私、つくねと申します。


「聞いてます。ねずみ男は相変わらずだそうで」

まぁ、あの人はねぇ…

「何でも、妖怪の強さをお調べとか」


はい、一反木綿さんは空の要として大活躍されましたでしょ。

「昔のことです」


その時だ。
隣の部屋から一反木綿の奥さんが現れた。

「あんた、あの子がまた…」

「なんだ、お客様の前だぞ!」

あの、どうかされたんですか…

「あ、いや、息子がね」
苦々しげに言葉を吐き出した。

息子さんおられるんですか?


「あぁ、一反木綿のくせに木綿を嫌がってね。今じゃ一反デニムになっとる。少し前は一反フリースだった。」


その息子さんが何か…

「恥ずかしい話ですが、親子喧嘩ばかりでね」

はぁ。


ちょうどその時、部屋に入ってきたのが息子さんだった。

確かに派手なデニム地だ。

「こら、お前はまた遊んでばかりか!」

「うるせえ。オヤジだって若い頃は鬼太郎と一緒に旅ばかりしてたろ!」

「父さんのは正義の為だ。見境無く旅していた訳じゃない!」

ぷいっと顔を背け、息子さんは自分の部屋にこもった。

「しょうがない奴だ。」

一反木綿はブツブツと愚痴る。