「あの悪戯好きめ」

「ほんとだね……ところで、晩御飯作ろうか?」

「え?」

「いや、バランスの良い食事頼まれちゃったし…迷惑?」

きょとん、と涼子を見つめていた英夫は慌てて首を振った。
「い、いやとんでもないっす。お願いします」

英夫は涼子の手を取ると、仲良く病院を出て行った。

どこかで見ているかもしれない母の為に、空いている方の手で
ピースサインを出した。

部屋に戻り、仏壇に向かった英夫は大声で笑いだした。

「なんだそりゃ」

母の遺影もピースサインを出していたのだ。