アランは夢の中でショーンと遊んでいた。
ショーンは車椅子を使わずに、アランと共に野原を走っている。
先を走るショーンに何故か、なかなか追いつけない。
ようやく手がかかろうとした瞬間、ショーンは姿を消した。
声だけが残った。

「まだこっちへ来ちゃだめだよ、父さん」

目覚めた時、アランは涙を流していた。

「気がついたか、アラン」
仲間が声をかけてきた。

「私は…私はどうなったんだ。あの子は無事だったか?」

仲間はアランと目を合わせようとしない。
俯いたまま答えた。
「無事だ。おまえが庇ってくれたから、全くの無傷だ」

「よかった…さて、今日の分の仕事に行くか」
立ち上がろうとしてアランはひっくり返った。

「つつつ…なんだいったい…」

もう一度立ち上がろうとして、ようやくアランは、
自分の右足が無い事に気づいた。
まだ麻酔が効いているせいか、痛みが無い。

「吹っ飛んじまった。私の右足が」

呆然と座り込むアランの肩に手をかけ、仲間が
慰めようとした。

アランがほっとしたように呟く。

「良かった。両手が残っている」

慰めようとした仲間は、その手で思わず拍手してしまった。

十へ