初めてこの場所に来てから、丁度二ヵ月後。
ようやく全ての屑を運ぶことが出来た。

更地になった畑を見渡し、良太郎は
母の笑顔を思い浮かべていた。
更地になったとはいえ、まだまだ土地は
荒れている。
このままでは到底使い物にはならないことは、
良太郎にも分かった。

あまり太くは無い腕で土を耕し始める。
鍬も鋤も使い古しの物ばかりだ。
手の豆が幾度も破れる。
破れてはまた、その上に豆ができる。
いつしか良太郎の手は、村の誰よりも逞しいものへと
変わっていった。

村人は一人もやってこない。
刈り入れ時である。良太郎のことなど、
誰一人、気にかける者など居なかった。
幾つもの朝陽と星を数え、良太郎はようやく
畑を耕し終えた。