窓の外を黒い影が過ぎった。
一瞬の姿だが、燕だと判った。
今年も来たのかと、私は嬉しくも悲しくもあった。
彼らが定宿にしている民家は昨年末に取り壊され、
十三階建てのマンションに取って代わっていたからだ。
燕は何度も行ったり来たりを繰り返している。
巣作りの材料が見つからないのだろう。
取り壊された民家には大きな庭があり、材料には事欠かなかったが、
今となっては、この辺りに巣の材料になりそうな樹や草は見当たらない。
公園があるにはある。
が、つい先だって、子ども達を毛虫から守るなどという身勝手な理屈の下、
全ての樹木に薬品が散布されたばかりだ。
燕が選ぶとは思えない。
とはいえ、私に何が出来るわけもない。
散々探して見つからなければ、何処かへ飛び去るだろうと心で詫びた。
ところが驚いたことに、燕は我が家の軒先で巣を作り始めたのだ。
どこかで大量の糸屑を見つけたらしい。
燕は、飽く事無く運び続け、とうとう巣を作り上げてしまった。
頼りない外観だが、意外と温かいらしく、雌鳥はすっかり落ち着いた様子だ。
後は出産を待つばかりとなった。
私も何だか嬉しくなり、午前中一杯、巣を眺めて過ごした。
一瞬の姿だが、燕だと判った。
今年も来たのかと、私は嬉しくも悲しくもあった。
彼らが定宿にしている民家は昨年末に取り壊され、
十三階建てのマンションに取って代わっていたからだ。
燕は何度も行ったり来たりを繰り返している。
巣作りの材料が見つからないのだろう。
取り壊された民家には大きな庭があり、材料には事欠かなかったが、
今となっては、この辺りに巣の材料になりそうな樹や草は見当たらない。
公園があるにはある。
が、つい先だって、子ども達を毛虫から守るなどという身勝手な理屈の下、
全ての樹木に薬品が散布されたばかりだ。
燕が選ぶとは思えない。
とはいえ、私に何が出来るわけもない。
散々探して見つからなければ、何処かへ飛び去るだろうと心で詫びた。
ところが驚いたことに、燕は我が家の軒先で巣を作り始めたのだ。
どこかで大量の糸屑を見つけたらしい。
燕は、飽く事無く運び続け、とうとう巣を作り上げてしまった。
頼りない外観だが、意外と温かいらしく、雌鳥はすっかり落ち着いた様子だ。
後は出産を待つばかりとなった。
私も何だか嬉しくなり、午前中一杯、巣を眺めて過ごした。