無邪気な言葉が重石となって二人を襲う。
気まずい沈黙が部屋に満ちた。
博史は一つ深呼吸すると由香里を見つめた。
懸命に言葉を探す。
だが、結局なに一つ話せずに終わった。
弁当箱を洗い、残ったから揚げを冷蔵庫に入れ、
由香里は玄関に向かった。
しがみつくように奈緒が後に続く。
扉を開けたら、外は雨が上がっていた。
夕焼けが三人を紅く染める。
「じゃあね、また来月」
「お母さん、絶対、今度こそハイキングだよ」
「うん、うん。晴れるといいね」
遠ざかる由香里に、奈緒が泣きながら手を振る。
ちぎれるほど手を振る奈緒の姿は、博史の胸を深くえぐった。
この子は、今、雨の中だ。
こんなにも綺麗な夕焼け空なのに、この子は土砂降りの雨の中なのだ。
ならば、俺がてるてる坊主にならなきゃ。
「ちょっと待ってて、奈緒。父さん、母さんと少し話してくる」
博史は、サンダルのまま走りだした。
気まずい沈黙が部屋に満ちた。
博史は一つ深呼吸すると由香里を見つめた。
懸命に言葉を探す。
だが、結局なに一つ話せずに終わった。
弁当箱を洗い、残ったから揚げを冷蔵庫に入れ、
由香里は玄関に向かった。
しがみつくように奈緒が後に続く。
扉を開けたら、外は雨が上がっていた。
夕焼けが三人を紅く染める。
「じゃあね、また来月」
「お母さん、絶対、今度こそハイキングだよ」
「うん、うん。晴れるといいね」
遠ざかる由香里に、奈緒が泣きながら手を振る。
ちぎれるほど手を振る奈緒の姿は、博史の胸を深くえぐった。
この子は、今、雨の中だ。
こんなにも綺麗な夕焼け空なのに、この子は土砂降りの雨の中なのだ。
ならば、俺がてるてる坊主にならなきゃ。
「ちょっと待ってて、奈緒。父さん、母さんと少し話してくる」
博史は、サンダルのまま走りだした。