「む、無理ですよ先生、僕なんか」

「乱蔵さんのこと、好きかい?」

「もちろんです。大切なおとうさんです」

「だったら大丈夫。君なら出来る。ほら、急いで」
まめ太は俯いたままだ。

「まめ太」

顔よりも先に尻尾が上がった。
「判りました。行ってきます!必ず、助けてみせます」

まめ太は出窓からピョンと下に飛び降りると、茶色の影となって
走り出した。
心配そうに福が見送っている。

「先生、大丈夫ですかね、まめ太…」

「福ちゃん。忘れたのかい?まめ太は白虎だよ。
それに…万が一の場合にはキャー姉さまが居らっしゃる。
今は彼の意識下に眠っているが、いざという時には
目覚めてくれる筈だ」

「そうでした。忘れてました。だったら大丈夫だ」
福はそれでもまだ、心配そうにまめ太の行方を見つめていた。


四へ