「ほーらね、ほおおおらね。
だから言ったでしょ、最後の最後まで信じちゃダメなのよ。
あっはっはっはっは」

自暴自棄という言葉がある。
それを見事に体現した麻理である。
その麻理の足元に、またもや店長が吹っ飛ばされてきた。

「あいたたたたた…くそ。ちっとばかり手加減しろよ」

さてと、と店長は腰をさすりながら再び立ち上がった。

「行ってくるか。そうだ、麻理ちゃん」
ベイに向かって歩き出しながら、振り向きもせず店長が言った。

「はい」

「僕が闘っている間に隙を見て逃げろ」

「え?」

振り返った店長の顔に、柔らかな笑顔が浮かんでいる。
「何とかして君と志郎君だけは逃がす。それが店長としての
最後の仕事だ。君はうちの大事なカリスマ店員だからね。
うまく逃げ出せたら、バチカンに連絡を取ってくれ。
メアドは僕の机にある。
志郎くん、ごめんね。牛丼行けなくなった。
麻理ちゃんを頼むよ」

「店長、店長!やだ、死ぬ気じゃないでしょね?!」
麻理の悲痛な叫びに答えようとせず、店長は一声吼え、
ベイに向かって走り出す。

「志郎くん、どうしよう、店長が死んじゃうよぅ」
麻理は年相応の少女の顔に戻り、泣き出した。

「しっかりして。麻理ちゃん。ここで麻理ちゃんが闘わなきゃ、
誰が店長を救うんだよ。しっかりしろよ、丸顔!
太い眉毛!ニャンコの目!」

「なにおぅぅぅっ!言わせておけばっ!」
ギャラクティカマグナム級のアッパーカットが志郎の顎に
ヒットした。

「あ」

志郎、この期に及んでノックダウン。