身に覚えはない。
ないのだが、どうやら俺は変身したらしい。



嫁はんが言うには、本日未明五時頃に、俺が






悲しげに吠えたそうだ。





うぉるぅぅぅ~ぅぅ~
などと吠えたのだろうか。

何か夢でも見てたんじゃないかと嫁はんは言うのだが、全く覚えてない。

血か?
血が騒いだのか?

いよいよ、熊界に戻らねばならぬのか。

思えばあれは19年前。
熊本の熊牧場で、小熊と触れ合える場所があったのだが、俺は飼育係の女性が唖然とするほど小熊達になつかれたのだ。

わさわさとたかられ、舐められたのだ。


神様、もう少しだけ時間をください。

せめて、若様が成人式を迎えるまでは人間でいさせてください。