卒業式の日。
早智子は、県の美術展で特賞を獲った絵を奈保美に贈った。
その絵の題名は『You've got a friend』であると告げた瞬間、
奈保美は絵を抱きしめたまま手放しで泣き始めた。
早智子がうろたえるほど大声で泣き続ける。
「ちょ、ちょっと奈保ちゃん、どうしたのよ、泣かないでよ…」
なだめようとして早智子は自分も泣き始めてしまった。
結局、二人抱き合って泣いた。
「早智、あんたはあたしの大事な友達だからね、何か
あったら直ぐにメールしてきなよ?直ぐに飛んで行くから」
「奈保ちゃん、ありがとう、ほんとにありがとう。奈保ちゃんが
居てくれたから、あたしここまで来られた」
「ふん。あたしは道案内かってぇの。さぁ、早智、
別れるときは笑顔だよね」
互いに涙を拭う。
「もちろん。笑顔でバイバイだよ」
校門の前で手を振り、背中を向けた。
約束だ。泣かない。笑って別れる。
二人、呪文のように自分に言い聞かせながら歩いて行く。
少し離れた所で同時に振り返った。
二人とも失敗していた。
その顔は笑っていたが、涙を止めることは出来なかったのだ。
11へ
早智子は、県の美術展で特賞を獲った絵を奈保美に贈った。
その絵の題名は『You've got a friend』であると告げた瞬間、
奈保美は絵を抱きしめたまま手放しで泣き始めた。
早智子がうろたえるほど大声で泣き続ける。
「ちょ、ちょっと奈保ちゃん、どうしたのよ、泣かないでよ…」
なだめようとして早智子は自分も泣き始めてしまった。
結局、二人抱き合って泣いた。
「早智、あんたはあたしの大事な友達だからね、何か
あったら直ぐにメールしてきなよ?直ぐに飛んで行くから」
「奈保ちゃん、ありがとう、ほんとにありがとう。奈保ちゃんが
居てくれたから、あたしここまで来られた」
「ふん。あたしは道案内かってぇの。さぁ、早智、
別れるときは笑顔だよね」
互いに涙を拭う。
「もちろん。笑顔でバイバイだよ」
校門の前で手を振り、背中を向けた。
約束だ。泣かない。笑って別れる。
二人、呪文のように自分に言い聞かせながら歩いて行く。
少し離れた所で同時に振り返った。
二人とも失敗していた。
その顔は笑っていたが、涙を止めることは出来なかったのだ。
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