「動いたら落ちる。ジッとしてろよ!」

車の揺れが激しくなってきた。

ズルッ。
また妻が動いた。

「…どうせ…この傷じゃ助からないわ…あなた…逃がさない」

目の前の景色が変わる。空が上に行く。

変わりに地面が見えた。

速い。


もうすぐ到着だ。


トランクで妻が哄笑している。

俺の脳裏には結婚式の光景が浮かんでいる。

神父が語りかけている。


「死が二人を分かつまで愛することを誓いますか」