屋上には喪黒がセッティングした機械が、今や遅しと生け贄を待っていた。

「…そして、このスイッチを入れる。よろしいですか?」

説明を終えた喪黒に啓太は礼を告げた。
「喪黒さん、悪いけど里佳の側に居てやってくれないだろうか。ここに上がってくると困るからね」
喪黒は一礼すると階段を降りて行った。

啓太は一つ深呼吸し、機械に手を触れ、スイッチを入れた。
途端に体の奥底から何かが抜け出す感触がある。

思わず座り込んだ。
空が見る間に曇っていく。
そして雪が降り始めた。



里佳は舞い散る雪を手に取っていた。

「冷たい…本当の雪だ。啓太くん、どうやってるんだろ?」

「成功しましたね」

「あなたは?」

「失礼しました。わたしは喪黒と申します」

里佳は喪黒から事情を全て聞いた。

「喪黒さん、お願い、今すぐ彼の所へ連れて行って」

「判りました。これもアフターケアです」

屋上に上がった里佳が見たものは、座り込みながらも必死で機械にしがみつく啓太であった。

里佳は、よろめく足で近づいていった。

「啓太くん」

「里佳、なんでここに」最終へ