(もうそろそろいいかな)
少女の『黒』の底が見え始めた。
『黒』の底には、寒々とした哀しみが満ちていた。
それを全て吸い上げ、黒檀は膝から下りた。
少女の顔には、先程までの投げやりな色が無い。
涙が一粒、頬を伝って落ちた。
『黒』が蓋をしていた為に押さえつけられていた
涙が、ようやく零れ落ちたのであった。
満足気にそれを見やると、黒檀は白蓮の元に戻った。
『おお、黒檀。ご苦労さん』
『どう?割と良かったんじゃない』
二匹の目の前には、満開の枝垂れ桜。
『こりゃ見事』
『うん、これでまだ百年は持つよ』
『さて、次行こうか、白蓮』
前が見えなくなる程の花吹雪の中、
桜色の水玉になった黒と白の猫は、
ゆっくり、ゆっくりと歩いて行った。
少女の『黒』の底が見え始めた。
『黒』の底には、寒々とした哀しみが満ちていた。
それを全て吸い上げ、黒檀は膝から下りた。
少女の顔には、先程までの投げやりな色が無い。
涙が一粒、頬を伝って落ちた。
『黒』が蓋をしていた為に押さえつけられていた
涙が、ようやく零れ落ちたのであった。
満足気にそれを見やると、黒檀は白蓮の元に戻った。
『おお、黒檀。ご苦労さん』
『どう?割と良かったんじゃない』
二匹の目の前には、満開の枝垂れ桜。
『こりゃ見事』
『うん、これでまだ百年は持つよ』
『さて、次行こうか、白蓮』
前が見えなくなる程の花吹雪の中、
桜色の水玉になった黒と白の猫は、
ゆっくり、ゆっくりと歩いて行った。