鹿児島県指宿市摺ケ浜海岸は、地下を流れ出る温泉で温められた砂を
利用する砂蒸し温泉で有名である。
「しら波の下に熱砂の隠さるる 不思議に逢へり指宿に来て」
と、与謝野晶子も詠っているほどだ。
90度近い高温のため、注意しないと低温火傷や湯あたりを起こすぐらいである。
専用の浴衣を羽織って、潮の香りに包まれながらの砂風呂は
その南国ムードの街並みも合わせ、夢見心地になること間違いなしだ。


ということで、私も行ってきた。
椰子の木があるのですな。まさに南国情緒。
ここか…まずは専用の浴衣に着替えて、と。
タオルは持ち込みなのね。
ふむふむ。
こんにちは。つくねと申します。
旅行記ライターやってます。
今回は、この砂風呂を取材に来ました。

「おやっとさぁ。おじゃったもんせいらっしゃいもした。
おいが砂かけ役の西郷ごわんど」

む。かなりディープな鹿児島弁ですな。
通訳してお届けしよう。
よろしくお願いします。
ここに寝ればいいのですかな?

「そう。今から穴掘るからね。ごろっと横になって
くれますか。デカい人だな、どうも…こりゃ大変だ」

申し訳ない。あぁ、こりゃ温かいな。
西郷さんはこの仕事長いんですか?

「もうかれこれ20年になるねぇ。実は、今日で
退職するんですよ」

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