「抜く時が来た。韋駄天っ!」

おん、と一声鳴き、韋駄天が太郎丸の背中を駆け上がった。
斬月の柄を咥え、跳躍する。
しゃぁぁ、と鞘を走る音を立て、韋駄天が斬月を抜いた。
一瞬遅れて跳躍した太郎丸の手に、空中で渡す。

降り立った時には、太郎丸は長大な刀を
肩に担いでいた。

そのまま動きを止めず、男達の群れに突っ込む。
左手で柄を握り、峰に肘を当てたかと思うと、
軽やかに、くるり、と回る。

その刃先の及ぶところに居た男達が血しぶきをあげて
倒れた。
男達の胴体は真っ二つになっている。

まるで舞うように、くるくると優雅に群れを抜けていく。
その度に男達は二つにされていく。

斬れるのだ、斬月は。

ピタリ、と回転を止めた時、残る者は
邪鬼一人であった。

「この刀をあの時、おとうが持っていたら、
おまえら全員死んでいた」
太郎丸の声に悲しみがにじむ。