「ほれ、これ見てみ」
手渡された写真は、近所の公園で撮影したものらしい。
六歳ぐらいの男の子が、心底楽しげなクシャクシャの笑顔を見せている。
「これも、これも。みんなニコニコ笑ってんだよな。これなんか、不機嫌で有名な婆さんだ」
いったいどうやって撮影したんだろか、と父は尚も首をひねった。
涼子は改めて写真を見た。
確かに、どれもこれも笑顔だ。
おかしな表現だが、花も空も笑っているように思える。
父が撮影した物とは、何かが根本的に違って見えた。
「あれ?ところで母さんは?」
父は束の間言い淀み、ぼそりと洩らした。
「病院。ちょっと風邪をこじらせたみたいで。あ、でも明日退院だから」
「なによ。大丈夫なの?連絡くれたらお見舞い行ったのに」
ほら、そうやって怒るから、と父は頬を膨らませた。
「子供じゃないんだから膨れないの。で?なんで写真なのよ」
「あのな。母の日にな、何か贈ろうと思ったんだよ。ところがだな、何を贈れば喜ばれるか、さっぱり判らん」
「偉そうに言わないの。で?」
父はずらりと並べられた写真を見渡した。
「母さんが好きなものが写ってないかなと思って。例えば花とか、行きたい場所とか」
手渡された写真は、近所の公園で撮影したものらしい。
六歳ぐらいの男の子が、心底楽しげなクシャクシャの笑顔を見せている。
「これも、これも。みんなニコニコ笑ってんだよな。これなんか、不機嫌で有名な婆さんだ」
いったいどうやって撮影したんだろか、と父は尚も首をひねった。
涼子は改めて写真を見た。
確かに、どれもこれも笑顔だ。
おかしな表現だが、花も空も笑っているように思える。
父が撮影した物とは、何かが根本的に違って見えた。
「あれ?ところで母さんは?」
父は束の間言い淀み、ぼそりと洩らした。
「病院。ちょっと風邪をこじらせたみたいで。あ、でも明日退院だから」
「なによ。大丈夫なの?連絡くれたらお見舞い行ったのに」
ほら、そうやって怒るから、と父は頬を膨らませた。
「子供じゃないんだから膨れないの。で?なんで写真なのよ」
「あのな。母の日にな、何か贈ろうと思ったんだよ。ところがだな、何を贈れば喜ばれるか、さっぱり判らん」
「偉そうに言わないの。で?」
父はずらりと並べられた写真を見渡した。
「母さんが好きなものが写ってないかなと思って。例えば花とか、行きたい場所とか」