「続いて木で鼻をくくる♪」

あぁ、よく言いますな。木で鼻をくくったような態度。どうやってくくるんだ。

「実はこうなの」

「いたたたたっ!」

ははぁ、くくるじゃなくて、こくる。強くこすることですか。
ありゃりゃ。そんなに強く、木で鼻をこすったら痛いだろうに。

「それほど冷淡な目にあわせる、ってことだね。
拍子木で鼻を噛む、ってやつも同意語だ」

さすがにそれは勘弁してあげてください。

「親心だね。最後。ほぞを噛む。」

臍、とか書くやつですな。一体どこを噛むのだろう。

「いたいいたい止めれぇ~」

ほほう、ヘソのことですか。

「そう。日本書紀に『ほぞ』と出ている。この言葉の原典は中国の
春秋左氏伝だけどね」

「はぁはぁ…こ、言代主命さま」

「うん?なんだい、娘さん」

「この言葉をお父さんに教えてあげてください」

「うん。いいよ、えぇと
『煮え湯を飲まされる』
『飼い犬に手を噛まれる』
『苦虫を噛み潰す』
『血で血を洗う』か。
娘さん、よく勉強してるじゃない。じゃ行くよ、乱蔵くん」

む。風前の灯。