父は笑っていた。
遠い記憶に微かに残っている笑顔だ。
船端に座り、膝の上に愛美を抱き、腕を伸ばして撮影したのだろう。
優しい優しい笑顔だった。
その次の写真には父の船が写っていた。
古い船だ。
父と一緒に歳を経てきた船だ。
その船の名前が、変わっていた。
『耕一丸』
そう書かれてあった。
許してくれた。
それが判った途端、耕一にも涙が溢れた。
車を道の脇に寄せ、涙を拭おうともせずモニターを見る。
笑顔の父を指で優しく撫で、何度も何度も耕一は
「ありがとう」と言い続けた。
見上げると海が見えた。
沖合いに一艘の船が浮かんでいる。
ここからは誰の船かは、判るはずもない。
けれども、耕一にはそれが父の船と思えて仕方なかった。
なぜなら、船の上で人影が大きく手を振るのが見えたからである。
遠い記憶に微かに残っている笑顔だ。
船端に座り、膝の上に愛美を抱き、腕を伸ばして撮影したのだろう。
優しい優しい笑顔だった。
その次の写真には父の船が写っていた。
古い船だ。
父と一緒に歳を経てきた船だ。
その船の名前が、変わっていた。
『耕一丸』
そう書かれてあった。
許してくれた。
それが判った途端、耕一にも涙が溢れた。
車を道の脇に寄せ、涙を拭おうともせずモニターを見る。
笑顔の父を指で優しく撫で、何度も何度も耕一は
「ありがとう」と言い続けた。
見上げると海が見えた。
沖合いに一艘の船が浮かんでいる。
ここからは誰の船かは、判るはずもない。
けれども、耕一にはそれが父の船と思えて仕方なかった。
なぜなら、船の上で人影が大きく手を振るのが見えたからである。