「…アール?どうしたんだ、そんなもの持って?」
が、真吾の問いに答えず、アールは突然襲いかかってきた。
寸でのところで避けた真吾を追いかけ、ナイフが次々に
振り下ろされていく。

「アール、やめろ、どうしたんだっ」
逃げ回る真吾の脳裏に日誌の言葉が甦った。

『R-26タイプは起動させない方が懸命かもしれない。
特にアールは危険な存在だ。ロボットとは思えない行動が多い。
事故の起きぬうちに、早めに手を打つべきである。』

追い詰められた真吾は、たまらず手近にあったスパナでアールの
頭を強く殴った。
激しい音がして、アールは動きを止めた。
仰向けに倒れ込む。
しばらくキュルキュルと音を立てていたが、ゆっくりと止まってしまった。
真吾は恐る恐るアールに近づいた。
途端にアールの手が動いた。

「うわ」
悲鳴を上げて飛びのく真吾にアールが話しかけた。

『コレヲ…ツカッテクダサイ サイゴノ ヒトツデス』
アールの細い指先には、BT4809が在った。
いつの間にか、己の胸のパネルを開け、取り外していたのだ