「一つ訊く。天海殿。あなたを倒せば、上様と我が父の呪いは
解けるのか」

「ふむ。残念だがな、わしを倒しただけでは呪いは解けん。
七福神全てを倒さねば無理であろう。七福神が一人ずつ
念を込めておる。一人でも生き残れば呪は完成するのだ。
十兵衛、そなたには無理だ。何故ならば、わしら全てを
倒したとしても、海の底に恵比寿が潜んでおる。」

十兵衛の瞳に一瞬、焦りの色が浮かんだ。
例え、この場で天海と大黒天と布袋を倒したとしても。
残りの七福神が呪を完成させてしまう。
そして、海底に潜む恵比寿をどうやって倒せばよいと言うのか…。

その焦りを知ってか知らずか、太郎丸が又佐に話しかけた。
「ねぇ、じいちゃん。七福神て何人だ」

又佐が呆れたように答える。
「この大変な場で何を聞いておるのだ。七福神は七人に決まっておろう」

「だよね、さっきあのおっさん、六人しか名前言ってないよ。
毘沙門天、福禄寿、寿老人、布袋、恵比寿って言った。
あのおっさんを入れると、六人にしかならない」


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