そうして、拓人と手を
つなぎ、初音は奥へ
進んでいった。

拓人はあたしが守る。
おばあちゃんとも
そう、約束したんだ。
ね、おばあちゃん。

初音は祖母から
もらった勾玉の
ペンダントをそっと
握り締めた。

グッドビューホテルは
その名の示すとおり、
窓から見える絶景を
売り物にしている
ホテルであった。

1955年にはその原型
が建設され、何度かの
改築・増築を経て今に
至っていた。

その為、館内は複雑に
入り乱れ、従業員の
案内無しではたちまち
迷子になってしまう
恐れがあった。

裕二達もなかば必死で
男の後をついていった。

5分ほど歩いた
だろうか、ようやく
男が一つの扉の前で
止まった。

「こちらがレストラン
です。幸い、食材は
まだ幾らか残って
おりますので、コック
に命じて何か作らせ
ましょう。」

「あ、ありがとう。
申し訳ない。余計な
手間をかけさせて。」

「いえ、私どもも
このまま終わらせる
のが寂しかったところ
ですから。」