近所に新しい本屋ができた。
斬新なシステムを採用しているらしい。外見は何ら変わったところは見受けられないが…
とりあえず入ってみよう。

やたらと人が多いな。

本のセレクトはまずまず。

あ、この本、最近よく聞くな…
『通天閣 おとんとワテと、時々マトン』
どんな内容だろ?


う。なんですか、あんた達は。
いきなり目の前に現れて何とする。

「いやぁ、感動しました」

「そうよね、しばらく涙が止まらなかったわ」

…は?
訊きもしないのに、何を言ってるのだ。この人達は?

……あっ!
そうか、もしかしたら…

よし、この『陰日向に吐く』を手にして確かめてみよう。

さっきとは違うやつらが現れたな?!

「これ、最高だよね」

「読み終わって体が震えました」


やはりそうか。
頼みもしないのに、勝手に感想を述べる本屋なのかっ?!


よっしゃ。次はこれ!
『号泣するゾンビはできていた』


「彼女と二人で読めて幸せでした」

「元気をもらいました」


……しかし全く役に立たない感想だな。
どこかでこれと良く似た光景を見た事があるな?

あ。あれだ。
映画を見終わった素人が、感想を言うCMだ!


あれを見るたびに、「おまえら責任持って面白い言うてんのか」

とひねくれるのは俺だけっすか。