「おい、誰も居ねぇのかよっ!」

「こっちだ。こっち来てくれ」
真人の声がした。
どうやら裏庭に居るらしい。

「んだよ、めんどっちぃな」
口を尖らせながら亮は裏庭に向かった。

「ここか?なんでこんなとこに居ん」
最後の台詞は言葉に成らなかった。
激しい衝撃が首筋を襲ったのだ。
高電圧に改造されたスタンガンが押し当てられた為である。
一瞬にして意識が飛び、亮はボロ布のように崩れ落ちた。

全身を襲う痛みに容赦なく叩き起こされ、亮は目を覚ました。
縛られて椅子に座らされているようだ。
何故だか足首が特に痛む。

「起きた?」
声をかけたのは真人であった。
青ざめた顔で目の前に立っている。

「ま…こと、おま…え」
咽喉を焼かれた痛みで、亮は思うように声すら出せない。

「ごめんな、亮。あのな、あの女の父親な、すげぇしつこくてさ、
俺のこと突き止めたらしいんだよ。
でな、俺な、帰って来た時に待ち伏せされててさ、
薬打たれちゃってさ」

「く…すり?」

「そう。めっちゃ遅く効いてくる毒らしいんだよな。
でさ、仲間全員呼べって。そしたら解毒剤打ってやるって。
ごめんな、俺死にたくないからさ、おまえら売っちゃった」